歴史劇画 大宰相 第三巻 岸信介の強腕 (講談社文庫 さ 119-3)
歴史劇画 大宰相 第三巻 岸信介の強腕 (講談社文庫 さ 119-3) / 感想・レビュー
highig
( ^ω^)人間(じんかん)万事塞翁が馬。日ソ国交正常化後に鳩山の後継と目されていた緒方竹虎は急逝し、自分の裏書きをしてくれた三木武吉が死に、後に決選投票で勝った石橋湛山は病に倒れ、日本の舵取りは岸信介に委ねられた。満洲に暗躍した俗に言う『弐キ参スケ』の一人で、東條内閣では閣僚を務め、A級戦犯容疑者にもなった身で位人臣を極めたのは当人の卓越した能力もさることながら、革新勢力の激烈な抵抗を跳ね除け日本の安定と成長の為に日米新安保条約を成立させろという使命、それを為せという無言の運命の存在を感じざるを得ない。
2021/05/03
ちゃーりー
佐高 信の解説に影響された訳ではありませんが、岸は大宰相と言えるかなあ、と個人的にはやや違和感。 本巻に吉田の姿はほとんどなく、日ソ交渉と、日米安保改定が中心。 北方領土交渉の難しさ、あるいは二島、四島返還論などが、本書でよく分かりました。 安倍内閣の後を受けて就任された、新たな防衛大臣。何となく因縁めいているように思えます。
2020/09/19
Mr.deep
表紙とサブタイに反してほとんどが鳩山一郎政権下での日ソ国交回復交渉。無能ムーブを見せつけてくれる重光葵と高潔な精神で完全主人公な三木武吉が非常に印象的。それにしても鳩山一郎の理想に燃えて焦点の合わないキラキラお目目がなんともはや。ルーピーのお爺ちゃんなのは伊達じゃないですね
2022/03/21
スターライト
ソ連との国交回復に尽力した鳩山一郎、保守合同後に政権の座につき日米安保に執念を燃やし、条約改定とともにその座を去った岸信介を中心に展開。
2021/11/29
ぶるーめん
鳩山政権におけるソ連との国交正常化構想と岸政権、そして安保。ソ連、そしてロシアは今も狡猾なのは間違いないが、日本側の政治的メンツが現在にも禍根を残しているのがよくわかる。河野一郎の突進力、そして三木武平の献身さ、交渉力には感服。岸の狡猾さも印象に残る。三巻からは単なる権力争いだけではなく、政策の違いによる対立も少しだけみえてきた。ただ、結局は権力争いで合従連衡しているだけなので、面白くも情けなくなる。解説で佐高信氏が自民党内の派閥の流れを示しているが、結局は権力争いでしょと思ってしまう。
2020/03/09
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