五郎丸の生涯 (講談社文庫 み 55-5)
五郎丸の生涯 (講談社文庫 み 55-5) / 感想・レビュー
タイ子
見たことのない真っ白な秋田犬が納屋で亡くなっていた。老人は荼毘に付し山にお墓を作ってやる。そして、老人は自らの命を…。五郎丸という秋田犬がどうやって生きてきたのか、そして最後を何故この場所で迎えたかったのか。五郎丸と共に生きたおかげで生きる意味を知った人たち、どうしても手放さなければいけなかった家族の事情。バラバラに描かれる時系列が繋がる時、五郎丸の生涯が見えてくる。東日本大震災でいろんな物を失った代わりに見つけた生きがい、そして再び寄り添ってくれる犬。「少年と犬」を思い出す心温まる作品。
2020/10/22
きょん
秋田犬五郎丸の数奇な生涯。人間のエゴ、偽善にうんざりするが、すべてを達観しているかのような、不思議な存在感のある犬だ。動物を通して、人間は自分の醜さを知り、或いは己の中に慈愛を見いだしたりするのだろう。
2022/06/15
まつこ
沁みるいいお話なのに登録数少なくてびっくり。秋田犬が色んな飼い主を転々とするお話。賢くて気高い五郎丸の姿が目に浮かぶ。私はみすずさんが一番好きでした。あとどんな理由であれ犬を捨てちゃだめ絶対。
2020/12/29
フロッグ
一頭の秋田犬と出会う人たちの話。連作短編の中盤で、五郎丸を山に放つ場面に号泣してしまった…。
2020/03/22
憂希
秋田犬・五郎丸とその飼い主たちのお話。人間の身勝手な理由に振り回されてしまう五郎丸の一生は果たして幸せだったのだろうか…。最後に希望があっただけでも読み手側は救われる一冊だと思った。
2020/05/06
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