日本橋本石町やさぐれ長屋 (講談社文庫 う 44-10)
日本橋本石町やさぐれ長屋 (講談社文庫 う 44-10) / 感想・レビュー
じいじ
宇江佐さん、お得意の市井人情モノ。江戸は日本橋(通称)やさぐれ長屋に暮らす面々の波乱万丈物語。24歳一本気で人情にあつい大工・鉄五郎を柱に六話の連作短篇です。どの話も遜色なしに面白い。宇江佐作品にハズレないです。最終章の【店立て騒動】は、長屋解体にひと騒動。円満解決に感動のです。泣いて、笑って…そして感動して、宇江佐小説に酔いしれました。
2020/04/14
kei302
人の情の表も裏もきっちり描く宇江佐さんの長屋もの。世の中は厳しいものです。甘々では生きてゆけない。やさぐれる..。おやす鉄五郎夫婦がメイン。おやすが長屋に馴染んで、控えめにお節介を焼くようになって徐々に変わっていくのが面白かった。最後の「店立て:たなだて」の騒動がよかった。
2020/04/23
ふじさん
弥三郎店に住む、亭主や女房たちがいがみ合ったり、助け合ったり、訳ありの市井の人々の心温まる物語。どのにでもある普通の日々の風景が心癒される。おやすと鉄五郎の個性に心ひかれる。
2020/04/22
ぽろん
弥三郎長屋転じてやさぐれ長屋に暮らす町人たちが織りなす連作短編集。まさか、宇江佐さんの作品が又読めるとは、嬉しい限りでした。本当にここの住人は気の良い人ばかりで、中には勘違いの住人もいたりしても、上手く解決。心地よい物語に続編を期待したい所なのに叶わないのは、残念無念。面白かったです。
2020/05/20
moonlight
弥三郎(通称やさぐれ)長屋で暮らす人々の物語。連作短編集になっており、読み進めるごとに登場人物の描写に厚みが加わり、自分も長屋の一員になったかのよう。ストーカーやネグレクトのような、現代なら事件となってしまいそうな状況も長屋の人々が放っておかず大ごとにはならないで済む。常に近所の人の目がある煩わしさとありがたさ。バランスがなかなか難しいのが悩ましいが宇江佐作品の長屋暮らしは魅力的。
2020/11/13
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