望郷太郎(2) (モーニングKC)
望郷太郎(2) (モーニングKC) / 感想・レビュー
buchipanda3
2巻目に入って展開が大きく変化し、ますます先が気になるものに。地球が大寒波に襲われて500年、文明がリセットされた世界を描いたSF。SFとは思えないタイトルだが、中身は未知の世界と古めかしい世界が合わさったようなものが描かれていて面白い。今回描かれるのはヒトの社会。極めて原始的だが、その中で合理性を追求していったらああなってしまうのかも。倫理の違いはあるがヒトの根本は変わらない。にしても太郎の追い詰められた時の対応力が見事。そして倫理が残る太郎はこの世界をどう生きていくのか。次巻も楽しみ。
2020/06/07
眠る山猫屋
経済と戦争は社会の発展に必要な起爆剤なのか?500年後の世界、イラクから日本へ向けて旅する舞鶴太郎だったが…。経済の基盤から叩き直されるような体験。小さな集団どうしの対立は、更なる大集団との確執に起因していた。現代人それもエリートビジネスマンとして生きてきた太郎は戦争断固拒否。だが状況は否応なしに進む。奴隷仲間を見捨てられなかった太郎の逃走劇は成功するのか?それにしても舞鶴太郎、織田有楽斎に似てませんか『へうげもの』の。有楽斎は戦国の世を生き延びたけれど舞鶴太郎は生きて故郷にたどり着けるのだろうか。
2020/05/28
ミエル
1巻よりもさらに面白くなってきた!ずっとエンリルと祭りしてたらどうしようかと思ってたけど、これは好きな展開。今回たどり着いた村では、狩猟遊民生活から古代中世ヨーロッパレベルにまで発展、農耕を基盤に文字や天文知識も活用した生活様式まで時代が進む、いや戻る。出会った彼らに500年前の価値観を少しずつ刷り込む上手さ、やっぱ元社長。今のトレンド、全世界で取り組めって言うエシカルやサステイナブル推しと被る。文化も価値観も違う中での共通認識ってどれだけ理解と浸透が進むものなの?たぶん浸透せずに流れると思うんだけど。
2021/04/24
ころこ
ポトラッチがどのようなものか、画で理解するのがより理解が深まる。絵が描かれているので、文字が無いというのは非常に不自然に感じる。文字と絵の区別はシームレスなはずだからだ。後半の重要キャラの登場で、この後がどのように進んでいくか先読みできてしまう点がマンガの弱いところだ…が、まだ脱落しないで読み進める。
2024/08/06
トラシショウ。
「不思議だ・・・首をくくろうとした時もそうだったが・・・死のうとすると、逆に生きたい気持ちが強まる・・・」。ミトとの別れを経て、パルと共にその叔父が村長を務める西の村へ到着した太郎。一見安定しているかに見えた村の光景は、中の村との「大祭り」と言う名の経済戦争により一変する。ひとまずこれを自らの血で収めた太郎は、この争いですらその背後にそびえる東の村の掌中に過ぎぬ事を知り、単身東の村へと入るが。もしも原始と言う名の暴力に呆気なく蹂躙されてしまうと言うなら、文化や文明の進歩は何だったのか(以下コメ欄に余談)。
2020/06/04
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