半沢直樹 アルルカンと道化師
半沢直樹 アルルカンと道化師 / 感想・レビュー
ヴェネツィア
半沢直樹シリーズの第5弾。今のところ最新作。時間軸は戻って、半沢の大阪西支店融資課長時代の活躍を描く。プロット展開の軸は従来と全く変わらず、散々な目に会わされた半沢が最後に倍返しで逆襲するというもの。例えは古いが、昔の力道山以来のパターンである。それでも飽きることがないのは、その都度新たな趣向が凝らされているからにほかならない。今回のそれは2つ用意されていた。一つの基軸がM&Aであり、これに彩りを添えるのがアルルカンの絵である。およそ結び付きそうにない要素のようだが、これこそがまさに池井戸潤の着想と⇒
2024/04/29
starbro
池井戸 潤は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。「半沢直樹」シリーズ6年ぶりの新作、安定の面白さ、何時ものパターンではありますが、楽しめました。どうしてもドラマの配役がちらつきます。 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75018
2020/11/13
ミカママ
みなさんのレビューを拝見して納得。これは前日譚なのね。半沢の肩書とかあまり意識してなかったから。美術品云々が取り沙汰された時点で、バブル直後なのかなぁと感じてた。当時はまだ、日本中が(その価値がわかっていない輩まで)狂乱してたからな。そしてお話の筋はいつも通り(笑)ガーっと盛り上げておいて、ガガガ〜〜っとまとめてくる。タイトル(章題含め)と、なによりも装丁がカッコいい。
2021/01/06
bunmei
全く中央銀行の裏側というのは、これほどまでに醜い骨肉の争いによって、成り上がった連中に支配されているのかと思うと、銀行への預金を考えてしまう。テレビでは最後、頭取まで上り詰めた半沢でしたが、今回の舞台は大阪の大阪西支店、半沢はそこの融資課長。いつものごとく、保身に目が癖む悪代官の上司に目の敵にされて、二転三転する中でも、バンカーとしての誇りを忘れずに信頼を勝ち得て、その難局を切り開いていく。途中、絵画の話は、マハさんの作品を読んでる錯覚に…。熱き男・半沢が、最後は悪を跪かせる勧善懲悪なバンカー物語です。
2020/10/14
ウッディ
美術雑誌を扱う大阪の老舗の出版社、仙波工藝社のM&Aを巡る半沢融資課長の活躍、顧客を出世の道具としてしか考えていない小悪党たちに正義の鉄槌をふるう半沢の最後のプレゼンは爽快感抜群でした。現代アート「アルルカンとピエロ」をめぐる二人の芸術家の友情に胸が熱くなり、半沢の部下や顧客、そして杉田人事部長のように正しいことを正しいと言える人達がいることに勇気をもらえたような気がします。単なる勧善懲悪の物語ではなく、しっかりと伏線が回収され、スッキリ感も倍増です。浅野や小木曽など、雑魚キャラも健在で、面白かったです。
2021/03/15
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