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テクストから遠く離れて (講談社文芸文庫 かP 5)

テクストから遠く離れて (講談社文芸文庫 かP 5)

テクストから遠く離れて (講談社文芸文庫 かP 5)

作家
加藤典洋
出版社
講談社
発売日
2020-04-13
ISBN
9784065192795
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テクストから遠く離れて (講談社文芸文庫 かP 5) / 感想・レビュー

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amanon

「隠喩」や「換喩」といった基本的なタームをちゃんと理解しないまま読み進めたという体たらく。とりあえず、作者不在のテキスト論に対して、著者なりのスタンスを示したものと理解したがどうか?解説で高橋源一郎が示唆している通り、本書はかなり難解な部類に入るが、徒らに難解なロジックを弄んでいるのではなく、著者なりに当時の現代文学と深く対峙した上で、このようなテキストの紡ぎ出したのだと思う。個人的には『海辺のカフカ』の読解がとりわけ興味深かったか。中条章平による『カフカ』への辛辣な批評が印象的。その評価は変わったか?

2022/12/06

なつのおすすめあにめ

『海辺のカフカ』目当てで読んだので「作者の死」云々については、難しいのであんまり理解できていない 笑 でもやっぱり『仮面の告白』は三島由紀夫しか書けないのだろうから……、なんて思うけどそう単純な話でもないらしい……。

2021/06/07

かいこ

(記憶が正しければ)蓮見重彦がたまに持ち出して来るような、テクスト読解を通して帰納的に生成される新たな「作者像」(大江的人物・古井的人物)概念に比べて、この人の提唱する「作者の像」概念はとりあえずテクスト読解に「作者」=発話者の項を作るために取り急ぎ考案した感じがしてあまり洗練されていないように思う。前者と後者では概念を持ち込んでくる批評的な狙いが多分違うから、「蓮見読んどけばいいじゃん」とは言わないけど、バフチンとか読んだほうがもっと有意義だと思った。

2020/12/24

gentleyellow

課題図書だと思って読んだ。「テクスト論」は、作者の考えとは切り離した作品だけから得られる批評をしないといけないと言っている。しかし、作者は切り離せないのだ、という話。/世代ではないせいか、そもそもテクスト論ってものを実感しておらず、したがってテクスト論批判にも実感を持てねぇ……となった。なぜ貴方がた、そんな瑣末に拘るんです? 小説なんて面白いか否かが全部じゃん、としか。/とはいえ、知らん奴らが、俺には瑣末としか思えないことに拘ってる話は、ちょっと面白い。

2022/04/15

omemegaro

大江健三郎「取り替え子」に挿入された写真は確かに作者がテクスト批評に対して仕掛けた挑発のようにもとれるし、実際それにどう立ち向かっていくのかと思って読んでいったが、他作品の批評はそれもテクストの読みのひとつでしかないようにしか感じられず、遠く離れてもいないし、離れて何かがわかるということも無い…。 それは別として「海辺のカフカ」の読み解きは面白かった。

2022/03/27

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