じりじりの移動図書館 (講談社・文学の扉)
じりじりの移動図書館 (講談社・文学の扉) / 感想・レビュー
chimako
ヤングアダルト人気女性作家五人の連作集。移動図書館の館長さんはダンディなおじいさん、運転手兼司書のしーさんはクールな若い女性。マイクロバスの移動図書館の利用者は呼ばれるようにたどり着く。たくさんの本が積まれた本棚から何故か抜き出す自分にぴったりの本。未来の社会も描かれる。誰もが危惧する未来。人が作り出したAIに支配され、AIに都合の悪い人間は洗脳され、都合の悪い本や音楽や美術、映画などはことごとく淘汰される。それに抗えるのは本を読んでいた人たち、芸術や感情を揺さぶられるものを愛した人たち。心しよう。
2024/04/21
はる
5人の児童文学作家による本をテーマにしたアンソロジーのシリーズ3作目。今回は不思議な移動図書館。白いひげのおじいさん館長と、無口な若い女性の運転手はどの話にも共通して登場します。作家さんによって微妙に設定や性格が違うのが面白いですね。濱野京子さんの作品が一番好みかな。素敵だった。ラストの菅野雪虫さんの作品はそれまでとタッチが違いすぎてびっくり。おかあさんがちょっと…後味悪い…。
2020/07/29
ぶんこ
5人の作家さんによる移動図書館を舞台にした物語。キャンピングカーが移動図書館という設定が面白い。それぞれ過去や未来へタイムスリップするお話や、異世界での紙の本への迫害やらが描かれていました。ちょっと怖かったり面白かったりでしたが、3作目の文香さんと出征していく若者とのお話が心に残りました。
2020/08/06
anne@灯れ松明の火
シリーズ3。(2が未読なので、読まないと)5人の児童文学作家さんのリレー小説。移動図書館「ミネルヴァ号」。ひげをはやして、ピシッとスーツを着こなしているおじいさんが館長。金ボタンの黒い制服に身を包み、長い黒髪がよく似合う若い女性が運転手。出だしは、普通の移動図書館に見えたが、実は……。SF的な要素もいっぱいで、思いがけない展開の数々に、考えさせられる仕掛けもいっぱい。読書の大切さ、素晴らしさを改めて噛みしめる良作ぞろい。
2021/12/21
ぽろん
児童書。移動図書館ミネルヴァ号をモチーフにした5人の作家による連作短編集。一番手、廣島さんの作品に一番、ワクワク!嵌りました。館長さんは、もう少し庶民的な印象を受けたのだけど、表紙のイラストは、とてもダンディでかっこいいなあ。五人五様のミネルヴァ号。愉しかったです!
2020/07/28
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