魚喃キリコ 未収録作品集 下
魚喃キリコ 未収録作品集 下 / 感想・レビュー
ぐうぐう
モノローグで構成された「わたし。」に、こんな言葉が出てくる。「かつて恋したことを描くの。今 想っていることを描くの。」その理由を、主人公の私はこう説明する。「正直、何か描かなければ、わたしはわたしではない。」と。体験を漫画にしていくうちに、漫画を描くために体験を欲するようになった、そんなことを魚喃キリコはかつてのインタビューで答えている。では、漫画を描かなくなった現在の彼女は、どうなのだろうと、ふと思う。「わたしの仕事は、白を黒で汚すこと。真白な誰かを、もしくはわたし自身を、汚すこと。」(つづく)
2020/05/31
サト
犬らぶらぶ日記のハルチンっぷりがサイコー。酒と煙草に浸りながら、それを始めた頃はきっと少しだけ罪悪感みたいなものがスパイス的に作用して、心地良さと焦燥感に気持ち良くなれたのだろうが。肌に馴染むとそれすら生活になり食事や睡眠と同じように特別なものではなくなるのだ。地方出身者の東京への漠然とした憧れのようなものも似てる気がする。フィクションの中、記号でしかなかった東京が日常になり焦がれる気持ちが薄れ同じ熱量には戻れない。勝手な妄想で想像だけど。とろりとした空気の白黒の線が美しい、魚喃キリコはずっと大好き。
2022/05/13
hryk
かつてはこういう世界を虚構越しに眺めては心引かれていたところもあったのだった。
2020/06/11
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