ヨリシロトランク(1) (モーニングKC)
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ヨリシロトランク(1) (モーニングKC) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
死んだ人は生き返らないという世界の不文律。そして現れた少女の姿をした改変者。殺人者を殺せば被害者が生き返る、そんな世界の物語はとても“感情的に”複雑だ。喪った家族を取り戻したら幸せになれる、そんな単純な話では済まされない。復讐という意味は失われ、法律的には殺人犯になる。世界が変わっていく感覚に感情が追いつかない。たったひとつの事象が変わっただけなのにすんなりと頭に入ってこない。これは考えさせられる作品だ。
2022/01/26
雪紫
期間限定1巻無料の電子書籍にて読了。殺人者を殺せば被害者が生き返るよう改変されてしまった世界。そんな世界で大事なひとを殺された人間は。加害者は。死刑に反対するひとは。賛成、反対、後悔、反省なし様々な人々の想いが混じり合う。台詞のない表情でこそ感情が伝わる鬼頭さんの絵柄で見たかったな。とは思いつつ改正された法律に振り回される人々や祈りが届く様の、思考実験的なものがある。遠い未来でなく、昔の時代にも踏み込むようで、どんなのが問われるか気になってしまう。
2024/07/05
トラシショウ。
「私は君を殺さなくてはならない・私には君を殺す以外の選択肢が無い」。一見我々の知る現代と同じに見えたその世界は、「改変者」と呼ばれる少女の姿をした存在により著しい変貌を遂げた。「人を殺した者」を殺すと「殺された者が蘇る」世界へと。いわゆる「因果応報」が成立してしまうこの事態に直面した時、肉親を殺された遺族は、罪を償った加害者は、法の守り手である筈の弁護士や検察官はどのように向き合うのか。帯の原作・鬼頭莫宏の「構想10年」と言う煽りが伊達じゃない事を証明する、極めて思考実験的なSF奇譚(以下コメ欄に余談)。
2020/09/21
緋莢
「私は改変者 この世界を娘さんが戻るような法則の世界に変えてさしあげます」高校生の一人娘を殺された父親。犯人が捕まっても、死刑になったところで娘が帰ってくるはずもない。そんな風に思っている父親の前に現れたのは、〝改変者”と名乗る少女。その少女の言葉通り、殺した人間を殺せば、殺された人間が蘇るという世界に変わって…お気に入りに登録された方の感想に興味を惹かれて購入したのですが、だいぶ長い間、積読にしてしまっていました(続く
2024/03/06
JACK
☆ 世の中は、殺した人間を殺せば殺された人間が蘇る世界に作り変えられた。不可解な事象を人々が受け入れた事で、様々な事件が起こる。殺された家族を蘇らせるために犯人を狙う者、刑期を終えて出所しても命を狙われる殺人犯、それでも殺人犯を守る人権派弁護士、その人権派弁護士を翻意させようとする遺族団体…。理不尽に奪われた命を巡る様々な物語に惹かれます。表紙で敬遠する人がいるかもしれませんが、残酷な作品をたくさん描いてきた鬼頭莫宏さんが原作。巻末のエピソードには泣きました。オススメです。
2021/03/09
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