水壁 アテルイを継ぐ男 (講談社文庫 た 43-64)
水壁 アテルイを継ぐ男 (講談社文庫 た 43-64) / 感想・レビュー
たいぱぱ
まさかの菊池雄星推薦作。時系列でいうと、東北大河シリーズ(?)の「火怨」と「炎立つ」間、元慶の乱をテーマにした作品。他の作品と違い単巻だということもあり、こぢんまりとした印象。相変わらず面白いんですが、感動もその分こぢんまり。そして相変わらず、朝廷には人として腹が立つ。いつまで経っても変わらない。読みながら思考が、世界での人種差別問題やパレスチナ問題に飛んでいた。難しい問題は理解してないが、結局のところこの本で起こってる事と根元は同じなんじゃないかと。ずっと未来も続くと思うとげんなりしてきます。
2020/09/11
Wan-Nyans
★4著者の故郷への熱い想い。朝廷に従った後も差別的扱いを受け、このままでは飢饉を乗り切れず大量の犠牲者を出しかねない追い詰められた蝦夷たち。かつて坂上田村麻呂と闘った阿弖流為の血を引く天日彦は、権力闘争に敗れ東北の地に根を下ろす物部一族・日明の支援により反旗を翻すが…。登場する人物たちが私利私慾ではなく、共に生きる人々の為、知恵を絞り命をかけて巨大権力と闘う熱き物語。東北の人々は情に厚く我慢強い。過去には中央に認知させるような抵抗の歴史があった。陸奥・岩手出身である菊池雄星氏の帯の文章もまた熱い。
2020/09/03
ヒデキ
資料のあまり残っていなくて蝦夷が、勝利を収めたのではないか?と言われる「元慶の乱」をバックに阿弖流為の子孫、天日子の青春時代を描きます 多分、架空の人物と思われる天日子ですが、 この流れだと「炎立つ」の阿部氏に繋がっていくのかな と思われました。 朝廷は、この時期でも、都合の悪い記録は、 残してなかったんですね
2021/06/02
みっちゃんondrums
東北蝦夷の英雄アテルイの血を引く天日子(そらひこ)が、自分の血を自覚し、仲間たちと出会い、苦境にあえぐ蝦夷たちの生きる権利を求めて立ち上がる。「風の陣」シリーズや「火怨」に比べると、あっさりしている気がする。感涙シーンは少なめ。しかし、歴史的にも地域的にも空白に近いこのあたりの物語をよく創作してくれたなあとの感激はある。なにせ舞台のほとんどが、故郷の秋田だから。当時、秋田城は出羽国府の出先の砦で、朝廷の力の及ぶ境だった。秋田にも気骨のある蝦夷がいたことにしてくれて、喜ばしい物語。
2020/11/22
なつみかん
この難易度の低いRPG感!アイテムは直ぐ手に入り、仲間も揃う、イベントも容易くクリア・・・で、もの足りず。まぁ1巻だけじゃなぁ〜、できるなら幕末の会津を舞台に全5巻くらいのボリュームで高橋さんの東北ものシリーズの完結篇としてくれないかなぁ?
2020/08/25
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