人間とは何か 偏愛的フランス文学作家論
人間とは何か 偏愛的フランス文学作家論 / 感想・レビュー
halow
フランスの小説家31人について個人の読書遍歴も踏まえつつ紹介する、エッセイ兼読書案内のような本。ユゴーやヌーヴォー・ロマンの作家がいないのにマンディアルグやマンシェットがいたりするので、本当に偏愛の書なのだと思われる。読解は常識的なものにとどまっており、スリリングな批評は期待できないが、平易かつ端的な整理がされているので、フランス文学の概観を把握するのには非常に役立つ本だった。
2023/01/03
Hiro
著者の自伝風読書エッセイだがとても充実した力作だ。大部なので最初のうちは少しずつ拾い読みしていたがスタンダール当たりから夢中になって一気読みした。全部で31人のフランスの作家が取り上げられているがそれぞれについて著者との出会いのきっかけやその美点、著者の人生との関わりが丁寧に具体的に語られていて未知の作家のことであっても引き込まれずにはいられなかった。よく知っている、例えばヴェルヌのような作家についてさえ新たな教えを受けたのだから他はなおさらだ。仏文学学習への強力な励ましとなる一冊。
2021/04/18
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