悪魔と呼ばれた男 (講談社文庫 か 150-1)
悪魔と呼ばれた男 (講談社文庫 か 150-1) / 感想・レビュー
えみ
そうきたか!悪魔の招待状は既にこの本を開いた事で届いていたのだろう。闇の中で己の罪を抱えて待ち構えていた。まさか「信じることで救われる」というおよそ悪魔には似つかわしくない言葉を捧げることになるなんて。想定外だ。事件として、これが真実ならば思考の迷宮に入り込んでしまうのも無理もない。ただ、この真相は誰も救われない…途方もない悲しみ、そして怒りが「悪魔」と「悪魔」に魅入られた者たちの結末を表している。通称“悪魔”による連続殺人事件の犯人を2人の刑事が追う。が、そこにあったのは「隠し事」という最大の壁だった。
2022/06/14
Kanonlicht
やたら死体を演出したがる殺人鬼と、それを追うトラウマを抱えた女刑事(美人)。ひと昔前のサイコスリラーで散々使い古された構図だけれど、普通にぐいぐい引き込まれるあたり、この取り合わせの親和性は改めてすごいなと。過去の事件も含めとにかく次から次へと殺人事件が出てくるので、どの犯人がどの事件を起こしたのか頭が混乱してくる。結果的にそれこそが作者の狙いだったのかもと思ったり。
2021/12/03
ま~くん
犯罪心理を専門にする警視庁特殊犯罪捜査室の女性刑事天野は仲間から預言者と呼ばれている捜査一課の犯罪検挙率No1阿久津と共に不可解な連続殺人事件を担当する。死体には不吉な逆さ五芒星の痕が刻まれていた。捜査を進める内、背景には警察幹部、更には政治家の影が見え隠れしてきた。各章毎に様々な人間模様が描かれ、ストーリーにぐいぐい惹き込まれていった。真犯人の正体、犯罪手法、結末の受け止め方は人それぞれかなと。現実世界でもこのような不正や陰謀が起こっていると思うとゾッとする。続編も出ているみたいなので是非読んでみたい。
2024/04/25
はつばあば
神永さんの心霊探偵・・流石に続き過ぎて途中でストップ。積んではあるものの・・って本も幾冊か。久し振りに読むこの本は面白かった・・って言うには語弊がありますが、如何に悪い輩がのさばっているかってことでしょうね。悪辣極まりない者に鉄柱を下すのはやはり悪魔なんでしょうか。神に与えられた阿久津の能力を許してもいいのではないでしょうか。囚われの身の阿久津を利用して犯人を捕らえる上司「大黒」。15日にこの本の続き「悪魔を殺した男」が出るそうです。気になります・・読みたいけど心霊探偵みたいに長くなると・・(;´∀`)。
2022/09/07
綾@新潮部
タイトルの通りなんだけど「悪魔」は誰なのか?を追う特殊犯罪捜査室の面々。猟奇事件ということで、描写はなかなかすごいものがあったりする。グロいシーンは想像しないようにしようと思うのに、必要以上に想像しちゃって怖くなるのよね。文庫で460ページ越えの作品だけど思ったよりサクサク読めてしまう、軽快な感じの文章かな。続編の「悪魔を殺した男」をこれから読むよ。どうなるのか楽しみだ。このシリーズは、必ずこちらを読んでから進めた方がいいらしい。だよねぇ。
2022/10/09
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