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その果てを知らず

その果てを知らず

その果てを知らず

作家
眉村卓
出版社
講談社
発売日
2020-10-22
ISBN
9784065212028
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その果てを知らず / 感想・レビュー

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ひらちゃん

眉村卓の遺作。病床で書き綴られた本作は、同じく病を患い残り少ない時間の中で書き続ける作家の話。薬の副作用か、現れる幻想と現実を行ったり来たり。回想するシーンはまさにご本人の過去だろう。星新一が名を変えて登場。だんだん意識が混濁して行くのか、架空の世界や、SF的出来事も。しかしその果ては何があるのか。本人も意識して書いていたのか、書くことで楽になれたのか。亡くなられる方の夢の中にずっといる、そんな感じだ。死を目の前にした人の心境に触れられた気がする。

2020/12/11

keroppi

今日は、眉村卓さんの誕生日。昨年85歳で他界されたその眉村卓さんの最後の作品。三人称で描かれるが、明らかに眉村卓さん自身のことだ。死を目前にして、現実と幻想が入り混じる。過去の回想が偽名で蘇ってきたりするが、それぞれが誰のことなのか何となく分かったりする。SF的想像力が、死というものを捉え、飛躍していく。まさに、他の世界に飛翔する。本当に死を見据えたからこそ生まれ出た作品と言えるのだろう。#NetGalleyJP

2020/10/20

kei302

星作品よりも眉村作品のほうが読みやすくてよく読んでいた。幻覚幻視はたぶん、ご自身の経験でしょう。自伝的な部分も興味深く読んだ。 「丘ホテル」の雰囲気に呑まれて書けなかった話がおもしろかった。最後は泣ける。

2021/07/05

ソーダポップ

眉村卓さんの遺作の著書。主人公の浦上映生は(おそらく眉村卓氏自身)の伝記的作品であり不思議な日常を描がいています。主人公は、若かりし頃サラリーマン生活をしながら同人誌や雑誌にSF小説を投稿、そして本格的に作家として活動を行い、晩年には闘病しながら創作活動行い、病床で見る幻想(眉村卓氏自身抗がん剤や放射線治療、麻酔による譫妄状態になっていた)を縦横無尽に書かれている作品。ストーリーには星新一、平井和正、小松左京、筒井康隆などを思わせる人物も登場。SF小説、眉村卓さんのファンならば是非お勧めしたい作品です。

2021/05/23

kawa

日本SF界・第一世代の大家だったという著者の84歳の遺作。取り立ててのSFファンではないが、人生の老いの終幕とSFが合体したような奇妙で魅力的な作品。もう少し先だと思うが、自分の終幕も現実とSF的幻覚?(本当に異次元が存在するかも…)を行ったり来たりのこんな雰囲気で逝けたら幸せかも知れない。

2021/01/27

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