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レベレーション(啓示)(6) (モーニングKC)

レベレーション(啓示)(6) (モーニングKC)

レベレーション(啓示)(6) (モーニングKC)

作家
山岸凉子
出版社
講談社
発売日
2020-12-23
ISBN
9784065214152
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レベレーション(啓示)(6) (モーニングKC) / 感想・レビュー

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kaoru

最終巻。ジャンヌの異端審問裁判を詳細に描いているため漫画としての面白さは犠牲になっているが、著者がどうしても描きたかった場面なのだろう。当時の教会は権力装置として働き、ジャンヌを魔女として火刑にするよう筋書きが定められていた。牢獄に繋がれ、一旦は否定した神を再び見出した彼女は最後の時に安らかだったと思いたい。モーリスやイザンパールなど良心的な聖職者がいたことがせめてもの救い。神がかりというより最後まで理性を保ったジャンヌを冷静に、愛情を込めて描いた山岸先生に御礼を言いたい。不信心者の私にも山岸さんの→

2021/01/27

kasim

完結したので登録。最終巻の盛上がりは素晴らしく、ここに来るために前段が必要だったかとまで思える。教会側でも親身になってくれる人々に涙する。通して読むと、主題が啓示から信仰に変化したのがよく分かる。得体のしれない厳しい眼差しのジャンヌに惹かれて読み始めたが、最後は戦友たちとの絆、女性同士の絆、どちらにも恵まれた生身の女性の話になったと言うか。敵役の男たちがわりと皆卑小ななか、最悪の敵と言えるヨランドも女性で、冷徹(血)な政治家という意味では王シャルルやブルゴーニュ公以上。山岸先生有難うございました。

2021/02/19

りー

最終巻。一体、どう扱うのだろう?と思っていた宗教裁判を、丸々この一巻使って描いていて、鳥肌ものでした。全6巻の中で間違いなく一番素晴らしい。ジャンヌが宗教裁判の結果、火刑になったことは知識では知っていましたが、ここまで神学者の集団を相手に「いい勝負」…というか、理屈では完全な勝利といって良い流れだったなんて。わずか19歳の田舎娘が一体どうやって?読みながら、一瞬「神はいるのか」「啓示は真実、あったのか」という震えが走りました。それくらい理解を越えたことが、歴史に残されている不思議。ただ驚きをもって読了。

2021/01/12

小鈴

この巻は面白かった。最後まで読んだかいがあった。しかも、巻末に海野つなみさんとの対談もあってお得だった。著者本人も描いていて苦しかったみたいですね。レベレーションの話よりも逃げ恥のトークの方が多いけれど興味深い。山岸凉子さんといい萩尾望都といい、当時の「女とはかくあるべし」規範が強く、未婚子無しを認めない親にぬぐいきれないほどコンプレックスを植えつけられる。山岸凉子さんが処女閉経に興味を示していた。山岸さんの短編でも似たような話(妙齢女性が処女喪失、でも相手の男は結婚していて。。。)がありましたよね。

2021/01/28

ぐうぐう

異端審問が描かれる最終巻。声の消失により、声が聞こえていたことを確信するジャンヌ。不在による、神の存在証明。医学的な視点も織り込みながら始まった『レベレーション』だが、この異端審問において山岸凉子は、ジャンヌには本当に神の声が聞こえていたのではないか、との心境で描いているのがわかる。それでいて『日出処の天子』のような作品ではなく、あくまで史実に基づいて物語を進行させているのがユニークだ。そして、声が聞こえたとして、なぜ武器を手に取り戦う道を選んだのかという疑問も孕ませるのが、本作に深みを与えている。

2021/01/09

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