トッカイ 不良債権特別回収部 (講談社文庫 き 68-3)
トッカイ 不良債権特別回収部 (講談社文庫 き 68-3) / 感想・レビュー
kinkin
バブル全盛期、私は会社員として働いていた。かといってバブルの恩恵を授かったことは殆どない。ただ猛烈に忙しく今と違ってサービス残業当たり前の時代。繁華街は平日でも賑わっていた。世の中は浮かれていたことは間違いない。土地を転がせば莫大なお金が懐に入る。銀行は金持ちには頼み込んで金を借りてくれという。この本はバブル時代の巨大なツケを回収する人たちの話。 回収は銀行などから集められた男たち。そのトップが中坊公平という現代の鬼平と呼ばれた弁護士だ。海千山千の債務を抱えながら逃げ隠れする展開が読みどころ。図書館本
2024/08/19
yoshida
債権回収で知られるRCC。その誕生と歴史。バブル期に拡大した不動産会社への融資。杜撰な与信をした住専各社は破綻。破綻処理に多額の税金が使われる。その不良債権回収にRCCの前身である住管機構が設立される。読んで驚くのは杜撰な融資と、悪徳な不動産業者、苦闘する回収の現場か。カネは貸すより回収が難しい。よく言われることだが、相手が反社だったり悪徳業者であれば尚更だ。特に債務者の末野や西山の悪謀は驚異的。回収する側との攻防が読ませる。RCCで働く人々の人生も流転で印象深い。実に読み応えあるノンフィクション。
2022/07/30
速読おやじ
住専、住管機構、整理回収機構、直接自分では関わっていないが、元銀行員として色々思うことはある。大阪支店にいたので末野興産の伝説はよく聞いていた。当時不動産部にいたので、上層部は当然に末野と付き合いがあったのではないか。住管機構の精鋭部隊による悪徳債務者からの回収、その闘いはまさにドラマだ。相当厳しい局面もあったろう。実際に中坊さんの横で仕事をした人から、少しだけ話を聞いたことがあるが、かなり激しい人だったようだ。まさに命を削って仕事をしていたと。こういう闘いには名も無き担当者達の奮闘が心に残る。
2022/03/27
おいしゃん
身体を張って不良債権を回収してまわる男たちのノンフィクション。誰もがやりたがらない、心身共にハードな業務を、彼らはどんな心持ちで担っていたのか…清武さんらしい人物に寄り添った取材が実を結んでいる。
2022/03/30
なよ
住専から金融機関が破綻した時期までは新聞でよく目にしたが、それ以降も記載されていて、読みにくいところもありましたが、勉強になった。一貫して長期間を記されていると、融資のスタンスや、社会・法律の改定は、こういうところから起因したものだな、と思ってしまう。
2021/04/24
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