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暗闇の囁き 〈新装改訂版〉 (講談社文庫 あ 52-31)

暗闇の囁き 〈新装改訂版〉 (講談社文庫 あ 52-31)

暗闇の囁き 〈新装改訂版〉 (講談社文庫 あ 52-31)

作家
綾辻行人
出版社
講談社
発売日
2021-05-14
ISBN
9784065225141
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暗闇の囁き 〈新装改訂版〉 (講談社文庫 あ 52-31) / 感想・レビュー

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ナルピーチ

囁きシリーズ第2弾は、ある意味で純粋無垢な少年達の兄弟愛を説いた様に感じた。大学生の“拓也”と2人の兄弟“実矢”と“麻堵”の出合いは、やがて10年前の記憶へと遡り、1冊の“絵本”の存在へと繋がっていく…。集められる死者のパーツ、彼等に聴こえる“囁き”が意味するものは?その奇怪で残酷に満ちたストーリーが迎える終着点。それは兄弟達が想う空想の世界から一気に現実へと引戻され、哀しみの咆哮と変わる。終わりゆく喪失感を覚えながらも、彼の心の中に宿る新たな魂を最後に、新たな綾辻ワールドへと魅了された。

2021/12/11

キナコ

山荘での悲しいストーリー。美しい兄弟愛といえば聞こえはいいが、閉鎖・隔離されたなかでの子供の情緒教育の歪みが伝わってくる。隔離された世界観だけで完結出来なかった悲劇。また別の作品にも少なからず関わっていることにあとがきで知って驚いた。 互いを理解しようとしない大人と子供。どっちがいいのか…

2023/09/05

綾@新潮部

序章で「え?こっち系?」とまずは驚く。各章の最初にある子供たちの会話部分と囁き部分が怖さを誘ってくる。美しい少年の兄弟、実矢(みや)と麻堵(まど)そして2人がひた隠しにする「あっちゃん」とは?白亜の洋館や湖や森林などの描写がとても美しいため、残虐であろうシーンがなぜかあまり恐れることもなく読めてしまう。美少年兄弟のおかげもあるのかな。真相も気になりほぼ一気読みだった。そしてこれは間違いなく「殺人鬼」も読みたくなる流れでは?読んだの20年前だからなぁ……また読みたい。

2021/05/24

yosa

ミステリを読み始めたのは島田荘司がきっかけだとしても、どっぷり沼に浸かってしまったのは綾辻行人からだ。だからか今読んでもやはり頗る面白い。「好き」が詰まっているというか、ここから私の「好き」が生まれたのだろうななんてしみじみと思います。なにせ今読んでもドキドキしっぱなしだ。怪しげな描写のあれもこれもが心を揺さぶり、怖さと好奇心の間を行ったり来たり揺れ動いて興味を引きつけられ、結末に辿り着いた時の充足感たるや何物にも替えがたいものがあります。本格というよりもホラーテイストが強く感じられるものの、やはり傑作。

2021/11/04

ひろ

囁きシリーズ2作目。血腥い事件の断片的な映像で幕開け、読者は訳も分からぬままに放り出される。山中の屋敷に暮らす美しい兄弟を中心とする怪しさに満ちた物語を、じっくり咀嚼しながら読み進む。語り手の視点を幾度も移動させつつ、真相に迫っていく構成が面白い。綾辻作品に特徴的な括弧書きで挟まれる謎めいた文は、初期からあったのだと知る。ミステリとしての仕掛けに大きな驚きはなかったものの、全体を通した空気がとても好き。悲しく静かな結びに、充実した心地で本を閉じた。

2022/10/18

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