サピエンスの未来 伝説の東大講義 (講談社現代新書 2605)
サピエンスの未来 伝説の東大講義 (講談社現代新書 2605) / 感想・レビュー
ねこ
知の巨人の1人、立花隆さんの一冊。おもしろかったので2度読みをしてしまいました。テルヤード•シャルダン(1881-1955)の思想を1996年に東大で講義した内容の書籍化。随分前に読んだハラリ氏の「サピエンス全史」「ホモデウス」と通じる部分も多く理解しやすい内容でした。精神圏(ヌースフィア)のオメガポイント(特異点)がAIなのかシビュラシステムなのか、はたまた全く別の何かなのか興味は尽きません。人類が積み上げてきた知の財産を享受できる私たちは幸いな事だと感じました。先人に感謝し、後人に繋いで行かなければ!
2022/07/09
徒花
おもろい。「知の巨人」と称されたジャーナリストが東京大学で行った講義を一冊にまとめたもの。テーマは「人間はどこから来て、どこへ行くのか」というもの。遺伝の話から宇宙の話、宗教の話、哲学、ITまでいろいろな方向に話が飛んでいきながらも、それらをすべて内包して「人間(と人間の作る社会)」がどこに向かおうとしているのか、その行き着く先を予見しようとする。これは『生物はなぜ死ぬのか』にもつながるような気がするけれど、キーワードは「進化」であり、マルクス・ガブリエルや斎藤幸平につながる話に感じた。
2022/04/04
KAZOO
立花さんがご自分の著作などを書くときに調べたエッセンスが詰まっているような気がしました。それにしても結構内容が高度な気もしますが話し言葉で書かれているので理解したような気がします。また註釈も最後にまとめているのでは無きそのページにあるので読みやすいと思いました。人類の歴史と未来論が詰まった1冊でした。
2022/06/01
あちゃくん
この本は約25年前の講義が元になっていて、内容が全然古びていないのがすごいなぁ。今を生きる人たちにも新しい視座を提供してくれる。
2021/06/08
ころこ
著者はキリスト教徒だったはずで、シンパシーがあるのかも知れませんが、テイヤール・ド・シャルダンを全面展開しているのは頂けない。簡潔かつ理の通った論理の積み重ねにより大きな仕事をするモダニズムのひとだと理解していましたので、これではハラリなどのシンギュラリティものと区別がつかないのではと思いました。学生は文理融合の話として聞いているはずで、こんな際どい話をするのは百害あって一利なしです。学生の教育と実存を天秤に量り、目前にある死に対する超越性の気持ちを優先させてしまったのだと残念に思います。
2022/01/09
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