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バルス (講談社文庫 に 29-13)

バルス (講談社文庫 に 29-13)

バルス (講談社文庫 に 29-13)

作家
楡周平
出版社
講談社
発売日
2021-04-15
ISBN
9784065230626
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バルス (講談社文庫 に 29-13) / 感想・レビュー

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kei302

昨年亡くなられた今野浩先生は、著書の中で「(某電子小売り)A・・は絶対に利用しない」と断言されていた。送料無料当り前を疑えですね。非正規派遣リストラ格差社会、ステレオタイプな切り取り方が乱暴で、扱っている範囲が狭すぎますが、言いたいことはわかります。私は性善説を信じたい。コープ宅配もあるし、訪問介護で買い物代行もしてもらえる。ネガティブに考えるの、よくないね。

2023/05/30

PEN-F

ジブリ映画“天空の城ラピュタ”でお馴染みのあのセリフがタイトル。ラピュタではバルスは破壊や滅びを意味する呪文だが、なるほど、今作では非正規雇用が労働人口の4割を占めるまでになってしまった今の社会を破壊し、そして再生への道を歩もうとするまでが描かれていた社会派小説。“送料無料”の言葉についつい魅力を感じてしまうが、そもそもタダで物が送れることなんてありえない。必ずどこかが負担を負っている。それが派遣社員だったり下請け企業だったり。“送料無料”の呪文の魅力と恐ろしさ。

2024/10/26

mayu

初読み作家さん。有名大学に通う陽一は大企業ばかりを就活先に選び、就職浪人。大手通販会社の物流センターで派遣社員として働いている。ノルマが達成できなければクビ、代わりはいくらでもいる。しっかり務めていても期間を越えて働く事はできない。派遣先で受けた待遇から、非正規社員の現状や闇を知る。そんな中バルスによって、通販には欠かせない物流を脅かすテロが起きる。 低価格で次の日には商品が届く現代。裏ではどういう事が起こっているのか、格差社会とやり直しがきかない社会、非正規社員の今と未来をとても考えさせられる一冊。

2023/05/12

クキモン

消費者が安い商品を望む故のコストカットだと経営者は言うけれど、物を買うのは労働者。お金に余裕がないから安売りに走る。この悪循環を何とかしなければ日本の将来は恐ろしいことになると実感させられた社会派小説。

2023/01/08

kousei

ネット通販最大手の物流センターで働く、内定取れずに留年を選び短期派遣社員で働く大学生が主人公。ここで宅配ネットワークの弱点を攻めるテロ発生。パニック系のストーリーではなく、非正規労働者格差社会の問題提起で深淵なテーマ。テロの落とし所もここしかない流れ、閉塞感だらけの世の中にわずかな希望の光、エンタメ系ではなく考えさせられる骨太小説です。

2022/12/15

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