本のエンドロール (講談社文庫 あ 121-7)
本のエンドロール (講談社文庫 あ 121-7) / 感想・レビュー
ゆのん
一言で言うなら印刷会社を舞台にしたお仕事小説。ただ、3度の飯より本、睡眠を削っても本の私にとっては単なるお仕事小説ではない。本への愛情がたっぷりと詰まった極上の1冊。時には読者として、時には書店員として何度も何度も大きく頷き、涙しながら読んだ。コロナの影響で外出が出来なくても本は様々な場所へ連れて行ってくれる。外国どころか過去や未来、魔法の国にも行ける。本て、本て、本当に素晴らしい!最近は仕事が激務で読書時間が取れない日々だが一冊でも多くの本を必要としている人へ届けるお手伝いが出来たらと思う。
2021/04/24
アッシュ姉
「本を作る」のは作家さんと編集者や出版社というイメージだったが、「本を造る」には印刷会社や製本会社など様々な人たちを経て、ようやく完成するということがよく分かって興味深かった。たくさんの人のこだわりと情熱が詰まった一冊の本。これからは奥付まできちんと目を通したいと思う。装幀や中身も今まで以上にじっくり見ちゃう。私にとっても「本は必需品」なので、今後も紙の本を手にとっていきたい。すべて書店で購入できればいいけど、懐事情もあり古本にもお世話になっている。カラオケの印税みたいに古本でも印税が入るといいのになあ。
2022/02/22
おかむー
この作品を読んだひとはもれなく自分が最初に読んだ一冊に想いを馳せること請け合い。単なる“お仕事小説”では括れない、本への愛と本を造ることへの情熱に満ちた読メユーザー必読の一冊。『絶品よくできました』。斜陽を迎える出版業界を描いた作品のなかでも、印刷会社の視点から描かれるのは珍しい部類といえるか。「印刷会社はメーカーだ」と理想と矜持を抱く営業・浦本と徹底した現実主義の仲井戸、浦本の理想を苦々しく思う現場のオペレーター・野末、困難な現実を見据えながらも希望を見出す物語に胸が熱くなる。迷わずおすすめしますよ。
2021/05/04
えみ
今途轍もなく感激している!私の常の楽しみを、生涯の友を世に送り出してくれる人々に心から感謝の気持ちを伝えたい。作家さんがこの世に文章を生み、本造りに携わっている人達が世話をする、そして読者一人一人がその本を育て上げ、逆に育てられる。やっぱり本が好き!この小説を読んで益々その想いが強くなった。一冊の本を造るためにどれだけの人が努力を重ねてきたのだろう。全く考えもしなかった角度から「本」に焦点を当てた物語。個人的には本に旬はないと思っているけれど、今だからこそより一層強く心に響く「人」と「本」の「愛」の物語!
2021/08/06
ともくん
自分自身、仕事が製本業なので、このような本造りの物語を描いてくれて嬉しく思う。 そして、歳がひとつしか違わない作者のことを応援したい。 ――夢は、目の前のしごとを毎日、手違いなく終わらせることです―― この言葉を胸に、毎日の業務に励んでいきたい。
2021/12/30
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