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余命一年、男をかう

余命一年、男をかう

余命一年、男をかう

作家
吉川トリコ
出版社
講談社
発売日
2021-07-16
ISBN
9784065238141
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余命一年、男をかう / 感想・レビュー

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まこみや

内田樹氏によれば、社会を維持するための三つの交換(貨幣によるモノの交換、言語による情報の交換、婚姻による遺伝子の交換)があるという。本書の特異さは、根源的なこの三つの交換がいずれも常識と反措定されていることである。余命宣告を受けた女はショックではなく安堵感に包まれる。女が買い男が買われる。女が稼ぎ男が料理する。女は言葉を閉じ男は有る事無い事言葉にする。状況と人物を逆転させ、余命難病を逆手に取った、現代における愛と結婚を巡る強かな物語だ。さらにコミカルで軽薄さを衒った文章も愛の欺罔を見事に剥ぎ取っている。

2022/02/05

うっちー

女のためのR18受賞者らしい作品でした

2021/08/10

まちゃ

なかなかインパクトのあるタイトル。貯金と節約が趣味で結婚願望もない片倉唯、40歳。たまたま受けたがん検診でかなり進行した子宮がんを宣告される。病院の会計待ちをしていた唯にピンク頭の男・瀬名吉高が唐突に借金を申し込む。そこから始まる、唯とピンク頭の奇妙な関係。唯のような考え方の女性もいるのかも、と思わせるストーリーで興味深く読めました。いろいろあったが、前向きなラストで一安心。映像化向きの作品だと思います。

2021/10/03

おしゃべりメガネ

R18文学賞『しゃぼん』を読んで以来、約11年ぶりに読んだ吉川さん作品。40歳の地味なOL「唯」が何気に受けたがん検診で、余命1年のがんを宣告される。たまたまそこに居合わせたイケメンホスト、ピンクの髪の「瀬名」とゆきずりの`契約`をかわすことに。とにかく現実的、合理的な彼女と楽観主義まっしぐらな彼との関係性が不思議と読み心地が良かったです。余命モノなんて、シリアスな雰囲気はありますが終始どんよりしてるワケではないので、あまり重くは感じるコトはなかったです。後半のホスト目線の話が意外に面白かったですね。

2022/01/10

モルク

「何読んでるの?」と、人に聞かれたくないなかなか強烈なタイトル。アラフォーの独身会社員唯、20歳でマンションを購入し、節約とキルトが趣味。結婚、出産には全く興味なし。そんな彼女が突然の子宮がん、余命宣告を受ける。苦しい治療を拒否し、最後はホスピスと考えている中、病院で途方にくれていたホストの瀬名に金を貸しホテルへ…。死ぬまでにパーッとお金を派手に使ってしまうのかと思ったが意外と堅実。そして瀬名はチャラくても心があったかくていい人。それに比べ唯のひねくれかたは半端ない。でも結果オーライ。読みやすく読後感よし

2023/01/06

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