宝島(上) (講談社文庫 し 106-2)
宝島(上) (講談社文庫 し 106-2) / 感想・レビュー
イアン
節目の550冊目は直木賞と山田風太郎賞をW受賞した真藤順丈の長編。戦後の沖縄で米軍基地から物資を盗み出す戦果アギヤー。その中でも圧倒的な手腕とリーダーシップを備えた英雄的存在〝オンちゃん〟がある夜、忽然と姿を消してしまう。弟のレイ、親友のグスク、恋人のヤマコはその人生を賭してかつての英雄の行方を追うが…。戦後の沖縄が見舞われた苦悩を、語り部を通じて丁寧に拾い上げた力作。なぜ彼は姿を消さなければならなかったのか。手にしたとされる〝予定にない戦果〟とは。沖縄特有の言い回しに苦戦しつつも、真相を探るべく下巻へ。
2024/07/29
ふう
戦後間もなくの沖縄。今以上に海は美しく、空も澄んでいたはず。でも、この物語から立ち上ってくるのは血と汗と涙の匂いばかりでした。フィクションですが、戦争で島民を殺された悲しみとアメリカ統治下での米兵の横暴なふるまいへの怒りは、いく度か目にした報道と同じでした。日本政府からも見捨てられたような沖縄で、故郷を守るために戦い、生き抜いた幼馴染3人。その3人の心と体に襲い掛かる暴力のすざましさに息が止まるような思いでした。
2021/08/28
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
真藤さん、お初でした。戦後、アメリカに占有された沖縄。米軍基地襲撃の夜行方不明となった兄貴分。それぞれの道を進みながらも彼を探す幼馴染の三人。混沌とした当時の沖縄の描写、実際にこのような状況だったのだろうか?タイトルの示す「宝島」の意味は?いざ、後半へ。
2021/09/24
TAKA
率直な感想はアナーキーすぎる。戦後の沖縄の実情。米軍統治下の沖縄人であり日本人ではない状態の中でどう沖縄人が闘ってきたのかよくわかる。英雄と呼ばれる男の失踪がどう関わるのかまだ解らないが警官となったグスクと教師になったヤマコ、そしてならず者のレイみんな心に秘めたまま生きている。日本に返還はされたけれど今も沖縄人からしてみたら本土の人はヤマトンチュのままなのかもしれないし、米軍基地がある限りなんら変わらないだろう。小学校の悲惨さは正直キツイ。
2023/12/14
H!deking
いやー熱い!なんで後回しにしてたんだろ。感想は下巻で!
2024/10/29
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