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宝島(下) (講談社文庫 し 106-3)

宝島(下) (講談社文庫 し 106-3)

宝島(下) (講談社文庫 し 106-3)

作家
真藤順丈
出版社
講談社
発売日
2021-07-15
ISBN
9784065243749
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宝島(下) (講談社文庫 し 106-3) / 感想・レビュー

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イアン

★★★★★☆☆☆☆☆沖縄を巡る混沌が深みを増す下巻。運命を変えた「嘉手納アギヤー」から10数年が経ち、それぞれの道を歩み始めたグスク、レイ、ヤマコの3人。消息を絶った英雄を捜し出すという志は同じであるにも関わらず、いがみ合い袂を分かつ彼ら。やがて明らかとなる戦果とは…。お世辞にもリーダビリティが高いとは言えず、必要以上に醜く描かれる米軍の所業の数々に、一種のプロパガンダ的な思惑を感じてしまった。巻末に「この作品はフィクションです」と記していないのは、沖縄に寄り添い続けた著者の作家としての矜持ゆえだろうか。

2024/07/31

ふう

1972年、沖縄はアメリカの統治下から離れ、本土復帰を果たしました。でもそれは沖縄の人々が望んだ「核と基地のない沖縄」ではありませんでした。復帰に至るまでの激しい闘争に関わった幼馴染3人の苦悩。(上)と同じで彼らに襲い掛かる暴力のすざましさに、フィクションでもこれは多分事実だと思いました。これ以上だったかもしれません。苦悩の果てに3人が知った、彼らの英雄が守り抜いたもの。物語のタイトルが意味するものは、その英雄の心なのか、英雄が守り抜いたものなのか…。わたしにとっては、沖縄の歴史や自然、沖縄の全部ですが。

2021/08/28

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

基地襲撃の夜に消えた彼らの英雄オンちゃんの行方は?彼らが持ち出したされる「予定外の戦果」の真相は?ミステリーの要素も含みながらグスク、ヤマコ、レイ三人の若者達の青春の物語であり、戦後から沖縄返還までの激動の沖縄とそこに暮らす人々を描く熱い物語であった。★★★+

2021/09/26

H!deking

いやー面白かった!名作なのは間違いないですが、文体とか言葉のチョイス、全てがツボでした。好みすぎて感想書けないくらい好みでした。そして切ない。おすすめ!

2024/10/31

dr2006

上巻を読み切ったその日のうちに、まさに捲る手が止まらずの一気読みだった。引用中略「生々流転する叙事詩は英雄の転生とともに最果ての風景にたどりつき、歳月に隠された島の真実を明かした」この一文に尽きる。この作品を生み出した作者の背景に何があったのだろうか?筆致に並々ならむパワーを感じたからだ。世間的に直木賞受賞に疑義を持たない作品であるし、個人的には今、読むべくして出逢えた作品なのかもしれない。きっと、記憶のヒダを通り過ぎることなく、ずっと心に残りつづけるだろう。読めてとても良かった。

2024/04/29

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