ハロー、ユーラシア 21世紀「中華」圏の政治思想
ハロー、ユーラシア 21世紀「中華」圏の政治思想 / 感想・レビュー
かんがく
どうやら今の自分の関心は思想と地理の交錯するところにあるらしい。ロシア・ユーラシアのもつ二面性、グローバル都市香港のナショナリズム、一帯一路と大東亜共栄圏とマーシャル=プラン、保守思想としての儒学の復権など、扱われるのはどれも面白い題材ばかりである。伝統的な「中華」と現在の「中国」を結びつける自分の中の回路がだいぶ充実した気がする。
2022/07/16
スプリント
なかなか難しかった。 何度か読み返しても難しい。もう少し関連する知識を蓄えてからもう一度読み返したい。
2022/01/22
Masayuki Shimura
【当時の日本人が日本の「皇道」と西洋の「覇道」を対比させたこと、それ自体が儒教のレトリックの複写であった。大東亜共栄圏という帝国日本のアイディアはそのスケールをユーラシアにまで広げて、二一世紀の中国に里帰りしたのだ】(文中より引用)・・・・・中華圏の考え方を内側から覗くことができる稀有な一冊でした。大陸中国が抱える超ナショナリズム的なナショナリズムの危うさを感じることもできましたし、何より香港という一都市におけるナショナリズムの捉え方がお見事でした。
2021/12/08
つまみ食い
赵汀阳,刘小枫のような現代中国の主流に近い新天下主義的思想家から異端と呼べる刘仲敬(中華意識を幻想とし解体を主張)、さらに香港や台湾の批評家なども紹介している。著者は日本と西洋の哲学・思想史にも精通しており、「ハロー、ユーラシア」という書名の通り中国語圏の思想状況を俯瞰するのにいい本となっている
2021/11/25
tindrum
現在の中華圏には、ヨーロッパからの影響と、自らの地方性とを混ぜ合わせて、二つのユーラシア的文化を持った国家がある。一つは中国で、保守的で権威主義的で、拡大主義的な帝国主義国家、もう一つは台湾や香港という、自由主義的で、多様性を重んじ、協調性を大事にする都市(ポリス)的な国家。この二通りの国家が、ヨーロッパや日本にいかなる影響を受け、二つの異なるイデオロギーを持ったナショナリズムを作り上げてきたかということを「天下主義」と「本土主義」という
2021/11/11
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