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夏と冬の奏鳴曲 新装改訂版 (講談社文庫 ま 32-9)

夏と冬の奏鳴曲 新装改訂版 (講談社文庫 ま 32-9)

夏と冬の奏鳴曲 新装改訂版 (講談社文庫 ま 32-9)

作家
麻耶雄嵩
出版社
講談社
発売日
2021-10-15
ISBN
9784065249666
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夏と冬の奏鳴曲 新装改訂版 (講談社文庫 ま 32-9) / 感想・レビュー

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麦ちゃんの下僕

全765ページ(!!)という大作…前半は苦戦しましたが終盤は一気読みでした!これはもう「うわぁ…」としか言いようがありませんね(苦笑)…まさかミステリーに「キュビスム」を掛け合わせるとは!?さすが麻耶さんです(笑) 「キュビスム」はもちろんピカソなどの絵画の手法ですが…法月綸太郎さんの新装改訂版解説では“クラシック音楽”に例えていて(僕には)わかりやすかったですね。形式上は「ソナタ」でありながらその実は“解決”を拒む「十二音音楽」であるという…(笑) 少ない登場人物ながら予想不能な展開にただただ驚愕です!

2023/05/13

りんご

かつて和音という少女を信奉していた者達が、20年ぶりに和音島に集い、殺人事件や不可解な出来事に巻き込まれていく話。取材に来た鳥有と桐璃を中心に物語は進む。秘密を抱えたかつての信奉者達の異常な雰囲気には不信感を煽られ、そして無邪気にはしゃぐ桐璃には癒されながらも徐々に不穏な雰囲気に圧されていく。衝撃的な終わり方に「これはいったい何なのだ」と思いながらも、何度も読み返したくなる。確かにこれは問題作と言われているのが分かる。

2021/11/03

カノコ

二十年前に死んだ少女を偲ぶべく、孤島に集った男女。雪の降る夏の朝、一人が首なし死体で見つかる。孤島でのクローズドサークル、首のない死体といったコテコテの本格ミステリの要素と文脈で語られるのは、それらを否定するかのような混沌である。衒学的で迂遠な表現の数々に理解を拒みそうになるが、登場人物たちの思惑を探ることでこの作品の多面的な構造に触れることができる気がする。作中で何度も語られる「キュビズム」、まさにそれを体現せんとした作品なのだろう。分裂していた視座が一つになるラストはやはり悲鳴を上げそうになる。酷い!

2023/05/19

おうつき

新装改訂版にて再読。読むのは二度目だが、身構えていたら案外読みやすくて驚いた。初読時の衝撃が大きすぎて難解な作品というイメージが先行していたからかもしれない。ただ、やはり中盤以降は読んでいて頭がパンクしそうだった笑。今回はある部分に特に注目して読んだが、同じ文章でも初読時と大分印象が違う。何より驚いたのは、他の部分が印象深かったせいか、犯人が誰かを完全に記憶違いしていた事。きっと何年か後に読み返したら、また違った捉え方ができるのではないかと思う。

2022/01/05

yosa

昔読んだ(たぶん発売日に買っている)ときにはわけわからんかった小説を、麻耶雄嵩という作家をきちんと(きちんと?)知った上で読み返してみたら、あれちょっと待って?とんでもねえぞコレってなって呆然としている。本が本に練り込まれているというか、裁断というよりも圧搾というか、そもそも摂理としておかしいだろこれ。読み終えた後の感情が我が事ながらよくわからなく混乱のみがあり、己のメンタルがただごとではないのに面白いとかなに?魔法?メルの一言でさー、一人で勝手に納得すんなようゆーさんよー。俺もそっちに連れてってくれよ。

2022/02/26

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