ガラスの麒麟 新装版 (講談社文庫 か 78-4)
ガラスの麒麟 新装版 (講談社文庫 か 78-4) / 感想・レビュー
Nyah
美しい女子高生、安藤麻衣子が通り魔に刺殺された。彼女は『ガラスの麒麟』という絵本原稿を雑誌に投稿しており、同級生野間直子の父は挿絵イラストレーターとして絵を描こうとしていた。事件から直子は麻衣子が憑依したかの様な事を口走っていた。葬式で会った養護教諭の神野は麻衣子や直子についてもよく知っていた。学校でのこと、動物が傷付く事件、麻衣子の幽霊の噂、麻衣子を騙る卒業生への手紙、六つの物語を通じて真相に近づいていく。/加納さんだし、もっと不思議系かと思えば、いきなり殺人。不安定な高校生達と神野先生の関係がいい。
2021/10/26
ムーミン
加納朋子さんがミステリーを書いたらどうなるのか。興味津々で手にとって、読み始めたら最後まで読み続けてしまいました。やっぱり加納朋子さんでした。
2022/05/05
マッちゃま
購入してから随分と積んでいました(苦笑)美しく頭も良かった女子高生 安藤麻衣子が通り魔に刺殺される…そこから始まる、日本推理作家協会賞 受賞の連作短編集。今まで僕が読んだ加納さんの作品から、なんとなくイメージが合わず食わず嫌いしてました。連作の1作目も単品として読むと非常に優れたミステリだと感じたものの何故か読むペースが上がらないままでしたが、2作目を読み終えた頃から本書の狙いにワクワクしてしまいペースが上がりました。個人的には3作目の「ダックスフンドの憂鬱」が好き。最終話もドキドキが堪りませんでしたよ♪
2023/01/09
クキモン
複雑な女子高生の心理をきめ細かく描いています。ミステリーとしては上質で一気読みでした。
2023/08/29
harukawani
みなのアイドルであった美しき女子高生が通り魔に殺害される。その周辺で起こる数々の事件。オカルティックな展開を見せる1編目の解決で見事にしてやられて没頭。とある人物が果たす探偵役の役割は、探偵というより”憑き物落とし”の方が近いのかもしれない。ガラス細工のように繊細な少女たちの姿が活写される。最後にして最長の「お終いのネメゲトサウルス」は、サスペンスフルだし、散りばめられた鍵を綺麗に回収して終わるが、少し長すぎてダレてしまう感がある。けど、それはさておき、脆いからこそ美しい、見事な連作短編だった。
2023/01/10
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