霊獣紀 獲麟の書(下) (講談社文庫 し 120-2)
霊獣紀 獲麟の書(下) (講談社文庫 し 120-2) / 感想・レビュー
よっち
漢の新王・劉淵の臣下となり、抜擢されて氏族の娘ナランを妻とすることになったベイラ改め世龍。一方、世龍を中原の聖王にするという天命を背負った霊獣・一角はもうひとりの霊獣と出会う第二弾。劉淵に命じられたものの、妬まれてなかなか婚姻話は進まず、功績を積み上げることを決意する世龍。激しさを極めてゆく戦争に、虐殺や流血を嫌う体は衰弱していく一角。何をなすべきか理想とままならない現実に振り回された二人の複雑な思いが印象的でしたけど、物語のひとつの終わりとともに新たな物語も準備が進んでいるようで、続巻に期待しています。
2021/12/15
すがはら
霊獣と人の感覚の違いを何度も思い知らされて地上から心が離れて行く一角と共に作者の視点も俯瞰になっていった感じです。天界を目指す生き物の情もまた、人が期待するものとは違うようで。あっさりしたものだなという石勒の感想に大きく同意。最後、真の多民族国家形成を目指した国造りの時期こそ一角の役割があった気がするのに。霊獣が平時に人界に関わるのはダメなんでしょうか。史実の縛りがあるお話ってなかなかスッキリ満足では終われないのかなという読後感です。
2022/02/13
はなりん
読むのに時間がかかった。地名も人名も分かりにくいのと、記述の大部分が淡々と戦記となっているので、疲れた。世龍と一角のやりとりやなど、もう少し心情的なものもあってもよかったかな。最後もあっさりしてたし…。
2022/03/05
虚と紅羽
獲麟の書、完結。一番驚いたのは次巻の刊行が決まっていた事。これ続編ありきだったのか。 上巻の時も思ったけれどファンタジーではない。想像よりファンタジーしてない上に、時代小説が強いのでファンタジーを目的として読む分にはオススメしない。 人ならざるモノとして人外の命を持つ一角はこの先誰と出会っても置いて行き、置いて行かれを繰り返すのかと思うと少し虚しい。忘れっぽい一角がベイラの事を何時まで覚えているのか気になる所だけれど、次巻以降を読む気力は存在しないのであった。
2022/07/10
豆乳くま
とにかく難しかった。史実を追いながら、中華を治める『聖王』の資質を見い出す霊獣一角とともに一時代を駆け抜ける世龍(ベイラ)のファンタジーと言うよりは戦闘記。慈悲の生き物である麒麟が戦に明け暮れる世龍と一緒にいるのはさぞかし辛かろう。かなり駆け足な感じだし、世龍にも一角にも感情移入できず、辛抱の読書だったな。
2022/02/23
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