転生! 太宰治ファイナル コロナで、グッド・バイ (星海社FICTIONS サ 2-7)
転生! 太宰治ファイナル コロナで、グッド・バイ (星海社FICTIONS サ 2-7) / 感想・レビュー
みっちゃん
「生まれてきて、すみません」生きているのなら、人に、そんなことを言わせない物語を書く。己の死後に井伏鱒二の遺した言葉と向き合って、この境地に辿り着く。これが作者の身体を借りて、太宰が今の世に転生してきた目的だったのか。夢のように美しいラストが秀逸。「元気でいこう。絶望するな。どうにか、なる」楽しいシリーズをありがとう。読めて良かった。
2021/10/25
りんご
お別れは、さみしいものです。しんみりとしてしまいました。MC、マイ・チェーホフではなくマイ・チャイルド。朗読CDで聴いた斜陽。奈良岡朋子さんの声で再生されます。ラップバトルにゃ笑ったわ。このために3巻があったのかもしれない。そして、グッド・バイ。
2022/02/19
蒐
こんなふざけたタイトルなのに感動してしまうなんて不覚…!戦時下だろうとコロナ禍だろうと太宰の情緒は相変わらず不安定。恨み言を吐き、ラップバトルに参戦し、女を惑わし、ゆるキャン△にハマり、そしてやっぱり心中する!傍から見れば現代をエンジョイしてるように見えるけど、心のうちに常に孤独と虚無を抱え、死に惹かれ続けた太宰。彼がついに…生にしがみつこうとするなんて…うぅ…泣ける…!太宰愛に溢れたこのシリーズはこれでグッド・バイだが、私たちは著作を通していつでも太宰を知ることができる。生まれてきてくれて、ありがとう。
2021/12/17
水零
太宰がうっかり現代に転生しちゃったシリーズ第三弾!完結編!まだまだ彼の恥の多い人生(2回目)を見たかったなぁと思いつつも、ラップバトルにコロナにゆるキャン△!そしてもれなく川にドボン(転生後3回目)!どう考えても私がレビューを書くよりも目次を書いた方が面白い。コロナ禍を戦時中になぞらえボヤきつつも、正しく回らぬ世の中に内心ホッとする姿は紛れもなく太宰であり、その気持ちが少しだけ分かってしまう私はなんだか切ない。正しさと感情は必ずしも繋がらない。ケッ面倒くせ。でもだからこそ、彼は、人間は、きっと愛おしい。
2021/10/27
きたさん
MCバトルのリリック、思いの外良かった。さすが文豪。井伏鱒二がとてもよい人だと知った。かなりやりたい放題なのに最後いい感じに綺麗にまとめたのが凄い。いい話を読んだ気になりました。面白かった。
2021/12/24
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