歪んだ波紋 (講談社文庫 し 104-7)
歪んだ波紋 (講談社文庫 し 104-7) / 感想・レビュー
H!deking
え?え?これで終わり??
2022/04/08
HANA
「誤報」「捏造」をテーマにした連作短編集。最近特に巷を賑せているフェイクニュースであるが、マスコミはネットをネットはマスコミを、お互いそう呼んで憚らない現実がある。読む前は誤報についてそれに振り回される人間の話かと予想していたが、読んでいると問題はそれどころではなくもっと根深いものであった。新聞やTVなど情報の発信源であるがゆえにそれに振り回される様や、時代の最先端を自任しそれとは無縁のようなネットニュースもまた然り。本書は小説であるが、いつの日か起こっても不思議ではないような怖いリアリティも感じました。
2021/12/01
あきら
すべてはフェイクなのか。何を信じたらいいのか。 構成があまりに巧妙で、とてつもない奥行き。 途中まで読み進めて理解していた世界の狭さを後半で思い知る。 闇の深い小説です。
2021/11/28
ピース
マスコミについて考えさせられた。新聞に書かれていることが必ずしも真実ではない。誤報や捏造があるからだ。ならばネットの情報が正しいかといえばこれも同じだ。しかし情報は新聞、テレビ、ネットから得ることがほとんどだ。これらの情報を最初から疑うという訳ではないが鵜呑みにするのではなく自分でも考えることに気を配っていきたい。
2022/06/13
Kazuko Ohta
塩田さんの作品はどれも好きではありますが、どハマリしたボクシングの話や、将棋やオーケストラの話と比べると、いかにも新聞記者らしい『罪の声』と本作はかなり硬質。読みやすさの点から見るとサクサクすいすいというわけには行きません。しかしじっくり読めば、世の中にはこんなにも「創られた」記事があり、しかもそこには悪意が存在することに恐怖を感じます。新聞を取る人が減っているであろう昨今、とにかく人の目を引く記事にしなければならない。でも罪のない人まで傷つけられるとは。嘘を見抜く力が私たちにも必要だなぁと思わされます。
2022/02/19
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