未完のレーニン 〈力〉の思想を読む (講談社学術文庫 2693)
未完のレーニン 〈力〉の思想を読む (講談社学術文庫 2693) / 感想・レビュー
artgrape
とても良かった。読ませる。特に収穫だったのは、革命が連続であると同時に断絶であることの意味がようやく理解できたこと、資本主義下において改良主義はいつまでも「改良」でしかないこと。それから、資本主義下で、なぜ労働者が団結できないのかについて。商品だから、である。商品である限りは、別の商品より高く売らないといけないから、である。
2024/10/26
フォンテーヌ赤井
まず一つ、白井聡氏がレーニンを読むと言うことを貫徹したことを賞賛したい。 ある可能性の中でレーニンを”読む”、これこそ思索し書くことである。 最終的に、白井氏のレーニン読解は、私に新しいレーニンを与えてくれた。 《今こそレーニンに学べ!!》
2024/06/04
askmt
如何に突破しえぬ壁を突破したかが説得力・熱量ともにある文体で語られる。正直いまさらと思いつつ手に取ったが、これは明らかに当たりであった。こうなると、想定では解体されていくべき国家(というか国家的暴力)がむしろ強化されていった理由が気になり、その後のレーニンが読みたくなる。
2022/07/18
むっち
いまさらながら、いまなぜレーニンなのかという問われそうですが、国家と革命を古典として訳されたテキストだけで呼んでいたのは違う、リアリティをもって語るこの本は、よみやすくてすごい本だ、もっと読まれて良いのではないかと感じます。ただ、学生時代にマルクスやレーニンを読んだことがない(と思われる今の20~40代の世代や、それ以前も全く共産党に縁もゆかりもない)人が読めば、要するソ連のような権力を生んだ原因となる考えなんだろと誤解されるかもしれない。読む人によっては、全く刺さらないかもしれないです。
2022/07/10
μέλισσα
柄谷行人の場合もそうなのだが、フロイトが言う「抑圧されたものの回帰」なる概念は臨床を超えてどこまで適用されて良いのか、という不安は残る。 また、〈力〉の思想としてのレーニンは理論として面白いが、実践としてどうなるかという点も手放しで賞賛できるとは言い難いような気がする。
2023/01/14
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