R.I.P. 安らかに眠れ
R.I.P. 安らかに眠れ / 感想・レビュー
starbro
久坂部 羊は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の最高傑作かとの勢いで快調に飛ばしていたのですが、途中で失速しました。我が国には尊厳死法令を整備いただき、日本国民も外国人も安心して安らかに死ねる国をめざして欲しいと考えています。本書は、著者版「そして誰もいなくなった」でした。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000358369
2021/12/11
青乃108号
この作品のストーリー自体は好きにはなれなかった。とくにR.I.P. の存在には必然性が感じられなかった。しかしこの作品のテーマは。自殺を選ぶしかなかった者達の思いは。死ぬな。生きろ。この作品を読んだ後では軽々しくその様な言葉はとても言えない。生きる事は苦しい事だから。俺もそう思うよ。
2023/11/17
いつでも母さん
これは・・メンタル下降気味の時は読んじゃいけないかもしれないなぁ。村瀬の言葉は詭弁だと思うのに洗脳されそうなのだ。確固とした反論が・・ない。私の持つ声は私だけのもので、誰かに届くといいなとは思うものの、辛くて生き苦しさを抱えてる人に響くだろうか・・残された者、家族や友人の気持は痛いほど汲めるけれど。物語としてはキーになる人物は今は何処に?この兄妹の関係性は悲しい。家族の話でもあるが重い気持ちのままで終わってしまって、安らかになんて眠れないに決まってる。
2021/12/24
とん大西
もの凄く不健全だけど…だけども何もかも否定してしまうのも躊躇ってしまう。3人の自殺志願者を死へ誘った真也。それは人生への望みが絶たれた彼らの為を思ってこそ…。優しかった兄が殺人鬼のはずがない-裁判に向けて事件の全容を探る薫子の迷走と苦悩。倫理が揺れて、本能が軋む。帯に書かれた「行きすぎた正義と無関心な親切はどちらが正しいか」という文言も最早狂気の一片ですらある。久坂部さんもここまで踏み込むのは勇気がいったのではないでしょうか。複雑な読み味ですね。なんかドヨーンとした気分です。安らかに眠れって…
2022/01/01
モルク
座間の事件がモチーフか。SNSで3人の自殺希望者と知り合い希望通り殺害した犯人。その犯人の妹の目線で話は進む。自殺を希望した被害者の気持ちに添わず、なぜ遺族の気持ちだけをおもんばかるのか、頑張れという言葉はある意味酷な言葉となる。治る見込みのない難病におかされた被害者、同じ病の進行した人を見て我が身の今後を憂う。彼の悲嘆ははかり知れず、妻の今後を奪いたくないという思いも…確かに犯人の言うことも一理ある。だけど殺人は別問題。妹薫子の向こう見ずで安直な考えと行動にイラつく。
2022/02/04
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