佐藤友哉デビュー20周年記念復刊企画 フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人 (星海社FICTIONS サ 2-8)
佐藤友哉デビュー20周年記念復刊企画 フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人 (星海社FICTIONS サ 2-8)
- 作家
- 出版社
- 星海社
- 発売日
- 2021-11-17
- ISBN
- 9784065261521
佐藤友哉デビュー20周年記念復刊企画 フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人 (星海社FICTIONS サ 2-8) / 感想・レビュー
ほたる
復刊で再読。なぜか読んでるときはスラスラいけてしまうし、読み終わってみればめちゃくちゃなことをやってるとしか思えないが、それでもこの鏡家にまた会いたいと思ってしまう。斜線堂有紀先生の解説もまた、頷けるところばかり。「お兄ちゃん」
2021/11/28
結城綾
第二十一回メフィスト賞受賞作。西尾維新・舞城王太郎・北山猛邦らゼロ年代を代表する作家の一人、佐藤友哉。以前から気になっていた作家であったため、これを機に読了。伏線と叙述トリックは見事な手さばきで、卓越した文章力が窺える。序盤からきっちりとゼロ年代特有の空気が敷き詰められていて、悲惨と陰湿を融合させた救いようのない展開。タイトルも偶然と運命で編み出された奇跡の産物。常人に書ける代物じゃなく、オリジナリティに満ちあふれた作品となっている。珍しく解説が必見レベルなので、読了後にぜひ読んでみて欲しい。
2024/10/09
芙蓉
ゼロ年代メフィスト賞出身作家に飲み込まれた青春だった。戯言シリーズ西尾維新。JDCシリーズ清涼院流水。薬屋探偵妖奇譚シリーズ高里椎奈などで性癖を拗らせた。しかし佐藤友哉の鏡家サーガは実は初読である。ノベルスの頃に読んでみようとはしたがうまく合わずに未読だった。そしてそれから時は流れて今の推し作家である斜線堂有紀さんが推しに推していて復刊するというので今回読んでみた。ああこれは未熟な自我の時に読んでいたら所かまわず歪んで成長するやつ!!家族の兄妹すべてが壊れている鏡家。最愛の妹を失った公彦が選んだ末路とは―
2021/12/28
らきむぼん
10代で読んでいたら影響を受けただろうなと思う作品だった。 ミステリだが、ジャンルの垣根を超えてSFや文学のような一面もある。解かせるミステリよりも気づかせるそれで、あとから特定の描写の意味に思い至るという理想的な語りが魅力的。 主人公の言動には共感性は低いが、語りの文体はリズムさえ合えば軽快でどこか洒落た雰囲気がある。読まされていくうちに、主人公の置かれた状況や思考、結末に対しての解像度が上がっていく。美しくも思える物語の閉じ方は一人称文体を通して主観と客観が揺さぶられたからこそのものなのかもしれない。
2022/07/30
いりあ
佐藤友哉が2001年に発表したデビュー作。鏡家サーガの1作目で、第21回メフィスト賞を受賞。シスコンの鏡公彦は妹の佐奈が強姦され、自殺したと聞き、犯人たちへの復讐を企てるが…。一時期、メフィスト賞周辺の作品を追いかけていた時期があり、本作も当時読みました。久しぶりでしたが、やっぱりクラクラするほど強烈な作品でした。なんでもありだったな。当時のサブカル事情を知らない今の読者に伝わらないネタがちらほらあり、もう20年経った事を再認識。内容云々ではなく、作者と周波数が合わないと面白いと感じられない可能性が高い。
2024/02/17
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