性(セックス)と宗教 (講談社現代新書 2647)
性(セックス)と宗教 (講談社現代新書 2647) / 感想・レビュー
パトラッシュ
宗教は禁欲を旨としているからこそ、カトリック教会のように宗門内で性的スキャンダルが起こるのだと思っていた。しかしキリスト教と仏教では教義が発展する過程で聖職者の独身制が広まったからこそ宗教が権力集団化し、一方で性をタブー視しないイスラムは専門の聖職者階級が形成されなかった。つまり性に対する考えが世界の歴史を左右し、ナショナリズムや原理主義思想の母体となったのは宗教と政治の関係を考える上で重要な要素だ。人を救いたいとの願いから創造された宗教だが、最も敏感な問題である性への対応を巡り教えが歪んでしまったのか。
2022/02/15
海月
一言で言うとくっそ難しかったです。自分的には宗教自体があまり興味ないくせに新刊ということで勉強がてら読んでみたらまぁ難しい。キリスト、イスラムまでは分かる。ユダヤ教ってなんだ?とか疑問がたくさんあっけどもこの本がなんとなくではあるけど解説してくれた(笑)それはさておき宗教と性ということでこんなにも宗教上の都合で性交などの行為が規制されてたのなんて知らなかったけども法律のない当時からすると宗教が全ての観点からいくと妙に納得した。もう少し宗教の勉強しないとダメだと感じました(笑)
2022/05/25
へくとぱすかる
日本で教義にもとづく宗教といえば、仏教とキリスト教が思い浮かぶので、宗教は行為をともなう性を、避けるべきものと考えるものだとの思い込みがあるようだ。キリスト教であれば、その起源を原罪という考えに求められるという。しかし、たとえばユダヤ教やイスラム教にはそんな思考はないと聞いて驚いた。いかに自分が本当にはこれらの宗教を知らないかが、露呈してしまった気がする。生き物としての人間は生殖行為なしには滅びてしまうのだから、性と宗教の教えとの兼ね合いは、つねに時代とともに変化してきた。今後の宗教と性の動向は果たして?
2022/02/16
樋口佳之
んー。新書の分量で様々な宗教と性の関わりを語ることは難しかったのでは。キリスト教ならキリスト教、仏教なら仏教だけで十分一冊になるお話なのではと思いました。大急ぎの講演会を聞いた時の気分に近いです。
2022/10/10
クサバナリスト
各宗教が「性」をどのように捉えているかが語られる。イスラム教、浄土真宗、マリアの箇所が興味深かった。 ユダヤ教やイスラム教には原罪の観念なし。奈良時代授戒を行える戒師が不在だったが鑑真の来日により可能となる(それまでは自警受戒)。具足戒を授けられない出家僧は私度僧。南都六宗が独占した授戒体制を突き崩し、大乗戒壇(在家も可)をつくった(朝廷許可は最澄死後)。浄土真宗に授戒はない(戒名ではなく法名)。蓮如の最後の子供は83歳の時。
2022/03/13
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