編集とは何か。 (星海社新書 215)
編集とは何か。 (星海社新書 215) / 感想・レビュー
緋莢
14名の編集者に「編集とは何か」とインタビューし、まとめた本。新書ながら700ページ超え、値段も2000円でしたが、その分、とても読みごたえがありました。雑誌、漫画、新書、写真集など、編集者といっても様々なジャンルの人々が登場します。『文藝春秋』編集長・新谷学(柳澤健『2016年の週刊文春』の、軸となっている人物ですが、2022年に異動していたと知りました)の語っていた野茂英雄とみうらじゅんと虎の穴の魔神像のエピソードにビックリ。 (続く
2023/12/10
Kanonlicht
14人の編集者に編集とは何かを問うインタビュー集。答えるのは、文芸誌、新書、美術雑誌、絵本、漫画雑誌、写真集など、異なるジャンルにおいてそれぞれ「顔」と言ってもいい錚々たるメンバー。それだけに語られる話のスケールもデカい。ひと口に編集者といっても、人によって来歴も仕事に対する考え方もまったく違う。目指したわけでもないのに気付いたら編集の仕事をしていたという人もいて、編集者とは職業ではなく生き方だと感じた。著者の言う「もっとおもしろくしたい人たち」という言葉がしっくりくる。
2022/04/26
メルキド出版
「文芸×編集 矢野優 『新潮』編集長」読了。2003年に新潮編集長就任の際、役員に言われた「好きにしていい」「判型を変えてもいい」「月刊を季刊にしていい」「誌名を変えてもいい」「出すのをやめてもいい」という鉄板ネタが再確認できた。矢野が印象的な本として、奥野修司『魂でもいいから、そばにいて 3・11後の霊体験を聞く』と榎本幹朗『音楽が未来を連れてくる』を挙げるのは興味深い。前者は物語の起源は「死んだ人を思い出す」こと、後者はテクノロジーとクリエイションの配信文化に注目。編集は神聖で乱暴に「選んで綴じる」
2024/11/17
spike
タイトル通り編集者とは何か、編集者の営みとしての編集とは何かを、綺羅星のようなプロフェッショナルが語り尽くす。そのエネルギー、矜持、ものすごい。この人たちみたいにはとても腹を括って仕事できるとは思えないけど、少し元気はもらえた。
2022/10/08
田中峰和
編集のノウハウを学びたい読者には場違いの本。週刊プロレスの編集長を9年も務めたターザン山本の発言が個性的で面白い。編集とは独裁だといい、好き放題するし自分の認めた編集者の記事はチェックしない。そんな男も新日本プロレスから取材拒否を受け、編集長を退任。以降、20年間まともに働いていないと語る姿が寂しい。文芸から漫画雑誌まで、異なるジャンルの編集者の意見。共通するのは、この仕事がお役所的なサラリーマンには向いていないということ。インタビュアーの技量にも感心した。
2022/08/28
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