人生百年の教養 (講談社現代新書)
人生百年の教養 (講談社現代新書) / 感想・レビュー
ねこ
楽しく読ませて頂きました。著者はロシア文学者であり、名古屋外国語大学学長。74歳。著者曰く「教養とはあくまで自分と他者の関係性のなかで、それが共有されることで初めて価値を持つ知の体系である。その意味で教養とは対話とコミュニケーションの問題でもある」と。本書は基本、学生達に向けて書かれています。だって大学長だもんね。それなのに自分のトラウマや苦手な事、失敗した事がてんこ盛り。そしてAIやメタバースの今後をかなり心配されている。凄い人だなぁ。最後に「感謝の思いを通して表現のデリカシーを学ぶ」が心に刺さりました
2023/05/03
KAZOO
人生百年の教養という題名ですが、何方かというと亀山先生の自分のたどってきた道などを示しながらの読者などから得られた知識などを神氏に生かしていくということなのでしょう。ドストエフスキ―の作品の訳で知られた先生ですがあまり語学は得意ではなかったようですね。ただ様々な交友などで人生を楽しく過ごしておられる感じがしました。
2022/05/05
momogaga
人生百年が当たり前になる時代の教養のあり方について貴重なヒントを与えてくれた。特に第8章の「老いの作法」は、読書メーターの仲間に是非読んで欲しい。
2023/04/17
フム
ドストエフスキー翻訳者であり、東京外語大学の学長まで勤めた筆者が教養人であることは一般的には疑いもないわけだが、本書で語られる読書遍歴や学びの歩みからは、なんとも弱気で自信がないコンプレックスの塊のような自己が明かされていて、その誠実さに共感しつつ読んだ。子どもの頃読んでいた本に人生のモデルがある、というのは振り返ると私もそうだし、人生の謎を解きたいという願望や絶え間ない自己発見の中で生きていきたいというのも同じだった。
2022/06/23
テツ
ドストエフスキー作品の翻訳でおなじみの亀山郁夫さん。(ぼく自身のことは棚に上げつつ)この年になり他者と接すると、それぞれの積み上げてきた教養とそれに伴い練り上げられてきた人格の差というものがはっきりと判るようになってきた気がする。そうしたものがあまりにも薄っぺらい人間ってやっぱり面白みがないなあと感じる。自分自身が人生の歩みの途中で触れてきた文学や音楽から何を感じそこからどう思考したのか。人間的魅力の大部分を占めるであろう教養と知性と品格。死ぬまでに少しでも鍛え上げていきたいものです。
2022/05/06
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