つわもの (講談社文庫)
つわもの (講談社文庫) / 感想・レビュー
ナルピーチ
戦国時代をテーマにした短編小説。知恵と武芸で時代をつくり、駒ではなく武士として乱世を駆けたつわもの達の物語。桶狭間から歴史を刻んでいき、川中島、本能寺、賤ヶ岳、関ヶ原、大阪の陣と、主要となる六つの戦いを描いていく。どの物語も戦乱を彩るも主役には慣れなかった人物達に焦点を当てており、木下先生の創作によって肉付けされた史実がとても面白かった。そして読後にふと思い浮かんだ芭蕉の俳句「夏草や兵どもが夢の跡」野望を抱き、復讐を図り、非道に生きた侍達の生き様に、しっかりといい夢をみさせて貰いました!
2023/10/17
ドッケン
決戦シリーズに書き下ろした木下昌輝の作品を集めた文庫本で、全て決戦で読んだことがある作品でしたが、何度読んでも面白く秀逸でした。
2023/12/17
びぃごろ
<決戦!>シリーズで書かれたものを時系列順に文庫化。人物の捉え方がそうきたか!という新鮮さ。短編だからそれもありかという感じ(笑) 「火・蛾。」水野信近が桶狭間で信長に力を貸すも…「甘粕の退き口」天才かたわけか上杉政虎に川中島でしんがりにつく甘粕の忠「幽斎の悪采」兄と賽子細川藤孝と明智光秀と本能寺の変「槍よ、愚直なれ」加藤虎之助の幼馴染千は山路将監の妻に賤ケ岳の罠「怪僧恵瓊」関ヶ原で毛利家を潰す恵瓊の策を吉川広家が知る「日ノ本一の兵」大阪の陣で家康と幸村の対峙、繁信がカラクリ好きで短筒を妖刀村正で誂える。
2022/10/17
ロマンチッカーnao
最高に面白かった。上杉謙信、全く想像したことのない新しい見方でした。そういうことか。どおりで5千人で京都に入京してみたり、10万人で北条を攻めて小田原城を囲んでみたり、出家してみたり上杉は天下を求めているのか、関東平定を夢見ているのか、一貫性のない軍神の行動。天下分け目の関ヶ原の毛利の行動もそう、西軍の総大将にして西軍最大の人数が参加したりしながらも何もしない。何をしたいのか。これを読むとなるほどと思った。もちろん現実かどうかはわからないけど、めちゃめちゃ面白かった。
2024/04/21
河内 タッキー
相変わらず面白い。発想がすばらしい。「幽斎の悪采」最近の大河ドラマでもあったように、明智光秀と細川藤孝は盟友と言われている。ここではどうだ。新しい本能寺だ。私は山田風太郎が好きで、ついつい比較してしまうが、「日ノ本一の兵」は山田風太郎が書いたのではないかという奇想天外な話。
2022/10/21
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