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記憶の盆をどり (講談社文庫 ま 46-19)

記憶の盆をどり (講談社文庫 ま 46-19)

記憶の盆をどり (講談社文庫 ま 46-19)

作家
町田康
出版社
講談社
発売日
2022-08-10
ISBN
9784065289310
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記憶の盆をどり (講談社文庫 ま 46-19) / 感想・レビュー

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ケンイチミズバ

「エゲバムヤジ」と「ずぶ濡れの邦彦」がストレスなく読めた。他は、文体で疲れ頭痛がしてきた。ペットに振り回される生活というか人生はあると思う。ペットを飼って交友関係が広がる、自分がイイ人に見えたり、運気も上がったり。が、しかし、それらが全て10億円もらえることも含めてデジャブだったら。リードを握る手を緩めた瞬間、犬が勝手に走り出してしまい、妻との約束、一生走ってはならない邦彦は夫婦間の絶対を破ってしまう。ものの、なかったことのように次の日がある。恐妻家の私にとって妻との約束を破ることほど恐ろしいものはない。

2022/08/16

サンタマリア

面白かったけど、その面白さ故に、感想に困る短編集。全ての短編にパンチがある。バラエティにも富んでいる。それでいてどこか統一感がある。至高の短編"集"。所々で何言ってんのか分からない箇所があった。解説が一番分からなかった。3回くらい読み返して分かった。

2022/09/05

chanvesa

「百万円をもらった男」「ずぶ濡れの邦彦」は町田康としては珍しい結末のような気がして、印象深かった。「エゲバムヤジ」も巻頭に配され、強いインパクトを残す。あとで調べたら「百万円をもらった男」は『100万分の1回のねこ』という『100万回生きたねこ』のオマージュ作品のアンソロジーに所収されていたようだ。それでこの語り口で書かれているのか。ねこが何回も死ぬように、残金がカウントされるのもつながっているのかもしれない。

2023/02/08

ちぇけら

斯くして流れてくるのは余りに抽象的で却って具体性を持ったとでも宣いたい様な概念から破壊するロックで、規範もモラルもなく轟音に合わせてただ首を縦に振り体を揺さぶり踊り狂う烏合の衆で溢れて返っていた。ロックは忿怒であり憧憬であり悔恨であった。啓蒙であり欺瞞であり酩酊であった。しからばそこは混沌かと云うと豈図らやんや人々は皆拳を高く突き上げて同じ言葉を咆哮する秩序があった。深酒をした朝に昇る太陽を見た眼の痛さとでも云おうか、心の深奥が震えた気がしたのだ。嗚呼。元々居た温かい場所に還ってしまいたい。ような午後。

2024/01/19

鷹ぼん

今年2冊目の町田康は1冊目の『しらふで生きる』よりもはるかに読みやすかった。だからか「町田康の良さを再確認する」する読書として読み進めた。『半七捕物帳』が下地にある『文久二年閏八月の怪異」、『付喪神絵巻』を元にした『付喪神』は町田節全開って感じで、心よき。特に前者の回りくどく江戸の調度品や風俗を現代語訳するイライラ感に、町田康を満喫できた。『百万円もらった男』『ずぶ濡れの邦彦』『狭虫と芳信』など、絶妙なフィニッシュが落語的で楽しい。しかし、主人公と「男」が出会ってから先、少年はどこへ行ってしまったのか?

2022/09/09

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