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ここでは誰もが嘘をつく

ここでは誰もが嘘をつく

ここでは誰もが嘘をつく

作家
嶋中潤
出版社
講談社
発売日
2022-12-07
ISBN
9784065292822
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ここでは誰もが嘘をつく / 感想・レビュー

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昼寝猫

犯罪受刑者の医療を行うための成人矯正医療センターに勤務する医療従事者の物語。改善の見込みのない犯罪者に手厚い医療が必要かは難しい問題だ。なにより被害者より加害者の方が大切にされる現実には吐き気を覚える。題材がとても魅力的で重厚感があり何が正しいのか考えさせるヒューマンドラマであり、医療サスペンスミステリーでもある。しかしストーリー進行が独特なので読みにくい面があるかもしれない。ラストの展開には疑問が残る。この決着のつけ方で本当に良かったのだろうか?

2024/06/29

モルク

医療刑務所函館分院に勤務する女医金子由衣が主人公。医師ではあるが法務技官という肩書。罪を犯し服役中の人が病気になったら…やっぱり助けるのが義であろう。だが、そんなやつをどうして助けるのかという被害者、そして出所すれば必ず重大な罪を犯すとわかっている人をも治療しなければならないという葛藤。少しミステリー色を交えながら患者、家族そして病院内の人間関係を描く。医師になろうとする学生のための修学資金。そしてその返済のために3年間就労しなければならないという制度を知った。

2023/01/31

おしゃべりメガネ

これはまた素晴らしい作品、そして作家さんとの出会いがここに現れてくれました。北海道は函館にある『医療刑務所分院』でのお話です。そこにいる患者とはもちろん言うまでもなく、皆'犯罪者'の受刑者たちになります。彼らは平均年齢も高く、勤務する二年目の主人公「金子由衣」は日々、受刑者たちの過去に犯した罪と、病を抱える患者としての今の姿を照らし合わせ、贖罪とは何かを悩みながら、従事しています。ミステリーでもあり、サスペンスでもあり、そして重厚な人間ドラマが圧倒的なリアルな姿でここに綴られており、深く考えさせられます。

2024/06/18

ma-bo

医療刑務所が舞台。2年目の矯正医官金子由衣が主人公。向き合う患者は犯罪者。罪を犯した者、出所すればまた罪を犯すかもしれない人も治療しないといけないのかという葛藤。誰かがしなければならない仕事で直面する先輩医療スタッフや刑務官のそれぞれの思いも描かれる。犯罪者、加害者家族、被害者家族が物語に絡み、そしてインシュリン注射後の死亡が、事故?故意?の事件要素もあり詰め込みすぎな気はしたけど…職務に携わる方の葛藤や刑務所医療のシステムや現状・課題などが詳しく説明されており分かりやすく読める内容ではあったかな。

2023/04/29

ゆみねこ

医療刑務所では患者である受刑者は高齢化し、医療と介護が必要になる。過去の罪と患者としての現在、医師2年目の金子由衣は当直の夜に急死した受刑者の死因に不審な思いを抱く。高齢化する受刑者のことはTVの特集で観たことがあり、何ともなり切れない。目の前の患者を救うのが医療者の使命とはいえ、とても大変な仕事だと感じた。

2023/03/07

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