ピエタとトランジ (講談社文庫)
ピエタとトランジ (講談社文庫) / 感想・レビュー
セシルの夕陽
芥川賞作家。短編集「おはなしして子ちゃん」内『ピエタとトランジ』のその後を描いた長編作品…2人の出会いの短編話も本書に付録で収録。 荒唐無稽な設定で別世界へ連れ出される。でも日常生活描写はとてもリアル、そのギャップも凄い。ピエタとトランジは高校で出会った親友。トランジは天才で、殺人誘発体質だ。周りは殺されたり、殺したり、失踪したり、事件に巻き込まれたり、そして助けられたり。ピエタはトランジの理解者でサポート役。高校生〜80歳を超えた彼女たちに本物の友情を見せつけられた。不気味で不思議、嫌いじゃない。
2024/09/15
優希
芥川賞作家が描くミステリーとして興味深く読みました。殺人事件を引き起こす体質というのが何とも言えません。ただ人が死にすぎだとは思いますが。
2024/07/02
サンタマリア
ガールミーツガール。こんな言葉で説明した気になるのは野暮だけど(というかおばあちゃんはガールなのか、可愛いからガールか)、この小説が面白いって事実は僕の言葉選びじゃ変わんない。個人的には森ちゃんに助演女優賞(助演って失礼、みんな頑張ってる)をあげたい。ピエタもトランジも強烈な個性の持ち主で、世界をかき回していた(彼女たち人類が滅んでも世界は回るのだけど)。読むと元気が出る本(つまりベストタイミングで読んだ)。
2022/11/11
エドワード
ピエタは女子高生。転校生のトランジと仲良くなる。トランジは言う「私に近づくと死ぬよ。」彼女は殺人事件を誘発する体質らしい。金田一耕助だね。いや、それにしても夥しい人が死ぬ。血と凶器のオンパレード。これって、女子高生の口癖「先公死ね!ババア死ね!」のメタファーなんじゃないか?後半は未来世界。ピエタとトランジも齢を重ねていく。未来も人がバッタバッタ死ぬディストピアだ。「世界は滅びない。滅びるのは人類だけ。」オビに極上のロマンシス・エンターテインメントと謳われている。うーむ、これが今を生きる人の快感なのか。
2023/03/01
小夜風
【所蔵】わあ面白い!不謹慎だけどワクワクしてしまった笑。「ファイナルガール」を読んだ時みたいな爽快感。冷静に想像したらめちゃくちゃ怖いし、実写化されたら怖くて見られないと思うけど(でもコミカライズされてるのね…読みたいような読みたくないような…)、ピエタとトランジふたりの関係性が心地良くて、トンデモ設定なのにいろいろ心にストンと落ちてくる本だった。途中途中に出てくる登場人物たちもみんな可愛くて面白くて最高だった。ピエタがどういうものかはすぐ検索したけど、トランジの方は怖くて検索出来ない。最後の台詞が好き。
2024/03/21
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