ふしぎな図書館とやっかいな相棒 ストーリーマスターズ3
ふしぎな図書館とやっかいな相棒 ストーリーマスターズ3 / 感想・レビュー
のっち♬
ストーリーマスターズ第3作。今回はポジティブ思考な少女がアンデルセンの世界へ。『すずの兵隊』『人魚姫』『マッチ売りの少女』と、ハッピーエンドに改変された物語を修復する流れ。前2作との大きな違いとして、ハッピーエンド好きな主人公が悲劇を受容するまでのプロセスが推理要素よりも遥かに重点的に描かれている点があり、日常世界と絡ませることでその重要性を説いている。アンデルセン本人の造形も随分と戯画化されていて、来歴と物語に通底する信念の関係性も伝わりやすくなった。作者たちのコメントを見て振り返るのもまた面白いかも。
2024/04/18
KAZOO
この作家さんの「銭天堂」「十年屋」シリーズを最新作まで読んでいるので、別のシリーズを図書館から借りてきました。これは三作目で「アンデルセン」についての童話が語られます。この中では案内役の女の子とアンデルセンのその作品に係わるやり取りが楽しめます。銭天堂と同じように悪い人物がいてアンデルセンの作品を改作してしまいます。それをもと通りにしていく話ですが、アンデルセンの作品というのがこうも結末がかわいそうなものが多いとは忘れてしまっていました。
2023/10/05
ゆのん
【シリーズ3作目】今回の主人公は明るくてクラスの人気者の少女。今の悩みは暗い感じの転校生に嫌われてしまったこと。そんな主人公が出会ったのはストーリーマスターのアンデルセン。このアンデルセンがネガティブな人でとてもめんどくさい性格。物語修復の旅に出る2人だが…。この本を読んで気がついたのだが、確かにアンデルセン童話は悲しい結末の物語が多かった。飢えと寒さで亡くなるマッチ売りの少女、全てを失い泡となる人魚姫などなど…。単なるハッピーエンドにしなかったアンデルセンの思惑に納得。
2024/04/08
Roko
今回グライモンのターゲットになったのはアンデルセン童話です。修復するのはアンデルセンさん本人なんですけど、これが困った人でねぇ。超ネガティブ男なんですよ。その助手に任命されたのは、いつも元気な「ひなた」です。アンデルセンさんの話って、ハッピーエンドじゃないのねって言っただけで機嫌が悪くなってしまうのに、参ったなぁって思いながらも、ひなたはアンデルセンさんの物語の世界に引き込まれてしまいます。#合本版ふしぎな図書館シリーズ #NetGalleyJP
2024/02/26
ほんわか・かめ
ネガティブなアンデルセンさんとポジティブなひなたが主役。ハッピーエンドが良いのに、と言うひなたにアンデルセンはショックを受ける。ひなたが徐々にアンデルセンの思いに気づいていく過程に、廣嶋玲子さんの【物語】への思い(主張)が詰まっている印象。悲劇を通して、なぜ、どうして、と私たちは逡巡することをアンデルセンに求められているのかもしれない。そう言えば、幼稚園の時のサンタさんからのプレゼントはアンデルセン童話(『マッチ売りの少女』と『みにくいあひるのこ』)だった。もちろん今でも持っています。
2024/03/24
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