うさぎ玉ほろほろ
うさぎ玉ほろほろ / 感想・レビュー
タツ フカガワ
7話の連作短篇の冒頭「饅頭くらべ」に登場する渡り中間の鹿蔵は、各地の菓子を食べ歩くのを楽しみとする男でシリーズ3作目の本作で鍵となる人物。南星屋の治兵衛と懇意になるが、その意外な正体が終章で明らかになるという構成もいいけれど、治兵衛の弟で僧侶石海の小僧時代の淡い思い出「初恋饅頭」が胸に染みました。
2023/02/05
いつでも母さん
南星屋の皆にまた会えた嬉しさ。最新刊はシリーズの第3弾!どれも食べてみたい菓子ばかり。7話・・読み始めるとそこはもう西條奈加さんの世界。心地良いのだ。お菓子作りも難しいけれど、人の心も思うようにはいかないもので・・それが生きてるってことなのだろうな。あぁ、まだまだ読んでいたい。そして、南星屋のお菓子に思い馳せる私なのだ(笑)
2023/01/06
のぶ
シリーズだと知らずにいきなり手に取った。登場人物の状況や前からの流れが掴めず戸惑った。全部で七つの話が収められているが、連作短編でありながら物語は長編としてもとらえられるものとなっている。舞台となっている南星屋が老菓子職人の治兵衛、娘のお永、孫娘のお君という家族3人で営む菓子屋という事もあり、菓子の話が多いことから甘い話が良かったが、事件もしっかり描かれていて二重に楽しむ事ができた。しかしそれぞれのキャラクターを追う事に終始して、どれだけ理解できたかは怪しい。過去のシリーズ読むかは未定。
2022/12/25
とろとろ
南星屋シリーズ3作目。「まるまるの毬」「亥子ころころ」の続きで短編7つ。「まるまるの毬」は読んでいないが「亥子ころころ」は2019年に読んだとある。江戸時代の和菓子の話、和菓子職人の主人が元武家の出であったということが前巻でうっすら覚えていた。今回、途中で武家から和菓子職人になった経緯が出てくるので、第1作を読まなくても概略つかめる(かな?)。諸国を旅して見聞きした名物菓子の数々が出てきて、最後にちょっとした謎解きとエンタメが待っている(かな?)。お菓子の解説が具体的で、容易に想像できるところが面白いね。
2023/03/17
ひさか
小説現代2020年8月号饅頭くらべ、11月号母子草、2021年2月号肉桂餅、5,6合併月号初恋饅頭、8月号うさぎ玉ほろほろ、11月号石衣、2022年3月号願い笹、の7つの連作短編を2022年12月講談社刊。シリーズ3作目。鹿蔵に関する話が、やや無理のある展開で、それほど楽しめなかった。ひとつひとつで完結していく話の方も精彩を欠いているように思う。
2023/04/20
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