今を生きる思想 エーリッヒ・フロム 孤独を恐れず自由に生きる (講談社現代新書)
今を生きる思想 エーリッヒ・フロム 孤独を恐れず自由に生きる (講談社現代新書) / 感想・レビュー
mukimi
「愛するということ」と「嫌われる勇気」は良い影響を受けた自己啓発本の代表。本書は前者の筆者フロムの思想を後者の作者岸見氏が解説し、フロムの特異な生い立ちや愛に留まらない人生哲学を学べる。人生の目的は、親や地位や金や人種や国家や家族や神等の強制的結びつきに由来する自己中心性を克服し、自意識と理性、愛する能力を発達させることで新しい調和を得ることであり、人生の意味は自らの責任と力を用いて己が与えねばならない。また非生産的方向付け(受容的搾取的貯蓄的市場的ネクロフィリア的態度)の話は耳が痛く内省の契機になった。
2023/12/13
佐島楓
フロムは『自由からの逃走』の著者ということしか知らなくて、著書を読んだこともなかったのだが、本書に触れ、これは読んでおかなくてはと思った。思想の現代性というか、普遍性がすごいのだ。時間をかけて、新版として出ているものを読んでいこうと思う。思春期に出会っていたら、理解度はもっと上がっていたのだろうな。
2022/12/09
なかしー
フロムの掲げる目標≒ヒューマニズムの完全性。 その道を歩む困難性について理由を挙げればきりがなく、茨の道であることも重々承知の上で「それでもなお」その目標を我々は目指さなくてはならないという。 私も正直な所、人間の愛、理性や人間性は不完全であり、その目標達成の実現性があるとは思えず、無理ゲーぢゃないか?と思ってしまった。その点で言えば、フロムがいう自分自身を捨ててしまっている人間になってますね(汗) フロムが、本書で語られる叱咤激励や厳しい目標を掲げられるのも、人間への愛?が根源にあるかもしれない。
2024/02/08
Gokkey
岸見氏の著作のネタの大部分はフロムに由来することは明白なのだが、本書のいくつかの文章が岸見氏の他の著作のものと丸っきりそのまま…短期間で多作を実現する作者に稀に見られるが、伝えたいこと書きたいことそしてその源泉たる著者のキャパの限界(そして出版界の実情も)を見せられたようで、読み手としてはその後の展開に一抹の不安を感じながらページを捲る。他の著作でどうしてもピンと来なかったフロムの愛という考え方のヒントが欲しくて読んだが、状況に変化は起こらず。その理由は推して知るべし。遠回りせず、フロムを読む事にする。
2023/12/28
Ex libris 毒餃子
フロムの思想背景は分かったが、思想内容はわかりづらかった。直接、原本にあたるしかないか。
2022/11/26
感想・レビューをもっと見る