神様の思惑 (講談社文庫 く 62-4)
神様の思惑 (講談社文庫 く 62-4) / 感想・レビュー
ゆのん
5篇から成る短編集。ちょつぴり切なくて、心温まる物語。その中にピリッとくるミステリ的な要素もあり、主人公と一緒にその真相に迫っていく感じが単なるホッコリストーリーとは違って飽きる事無く読めるし、物語自体も引き締まっているように思う。誰よりも大切で親密なはずの家族。それでもちょっとしたすれ違いや、誤解が生じた時には辛さや怒りが心に深く根ざして傷となり疎遠になったり場合によっては修復不可能な悲しい状態になる事がある。家族だからこそ許せない事、それでも再び愛情を持つ事ができるのも家族だから。
2023/01/06
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
ちょっとした謎が解けた時に起こる変化についての短編集。バラバラだった家族がある出来事を思い出した後の顛末。犬が現れた家庭に起こる変化。あの人は本当に人を殺したのか?どれもささやかな謎だが、すごく大きな変化を生む。
2023/01/05
昼夜
家族だからといって同じパズルのピースみたいに噛み合うとは限らないから時間の積み重ねが大事でそれが家族の罅になるか絆になるのかなと沁み染み思いました。特に「はだしの親父」と「我が家の序列」を読んで父に会いたくなって切なくなりました。
2023/02/03
spatz
著者の作品を読むのは初めてだったが、五篇それぞれに味わい深かった。 どれもなんらかの謎がある筋立てなのだが、自分には、ミステリというよりは、そうだったのか、というワクワク感のある、そして安心して読める小説、と感じられた。 どれも、家族を中心とした、深い縁のある人との関わり、思い出、すれ違い。 あと味がよく、筆の運びが滑らかで感情移入しやすい作風だったと思う。 #NetGalleyJP
2022/12/19
ツバサ
胸の奥に眠っていたしこりをほぐしていくような短編集。家族それぞれ事情があり、割り切れない時もある。しかし、時間が経てば見方が変わり、分かり合える時が来るのだと教えられる。読み終えるとほっこりする1冊でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/12/16/210000
2022/12/16
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