愛媛県新居浜市上原一丁目三番地
愛媛県新居浜市上原一丁目三番地 / 感想・レビュー
ゆのん
大抵の人は人生の節目で住まいが変わるのではないか。著者も実家、大学生時代の家、現在の家と住む場所が変わっている。中でも実家というものには格別の愛情を抱いているのが分かる。その強い想いには亡き母への愛情故というのが泣かせる。大学生時代には本格的に劇団活動が始まり、現在の舞台への熱意が構築されていく経緯が伺える。また、両親の影響もあるのか理不尽な事に立ち向かう姿は勇気を貰える。今では絶対に出来ないような事が出来ていた当時はある意味良き時代だったなぁと思った。家が変わっても大切な思い出は終わる事なく続いてゆく。
2023/04/14
nonpono
今は岩手の黒沢。積んでいた電子書籍、鴻上さんの自伝。鴻上さんといえば90年代から大人気な第三舞台の主宰。1回、舞台の当日券を友と2人で鬼電したらとれました。わたしは中学、高校と6年間、演劇部。本書にもありますが、お芝居を作るって大変なんですよ。明らかな才能の差、うずまく人間関係。「演劇は、人間を一皮剥いて、その人の本質を露わにする力があるんだと気づいて虜になった」、麻薬みたいなものですね。また、本書は家の、家族のお話です。お葬式の決めなくてはならないことの煩雑さ、実家じまい。失ってからわかる尊さですね。
2024/10/10
Roko
鴻上さんが、これまでの人生を過ごしてきた場所のことを語ります。生まれ育った場所、演劇を仕事とするきっかけとなった大学、そして今住んでいる家。鴻上さんはずっと、理不尽なことと戦い続けてきたんだなということがよくわかります。でもそんなことよりも「コロナによって舞台を続けることができなくなった」ことが、一番ツライ出来事だったというのは、とても悲しいです。 いろんなものを失くしたけれど、鴻上さんはきっと力強く生きて行く方だと思います。だって演劇の火を消すことはできないのですから。#NetGalleyJP
2023/03/27
冴子
図書館でふと見かけた本書。私は実は新居浜市で生まれ、7歳まで過ごしたので、どこかで鴻上さんとすれ違っていたかもしれない。教師の両親に育てられ、いろんなモノに興味を持ちながら過ごした少年時代、高校での輝かしい活躍ぶりが眼に浮かぶ。父を送るまでが切なかった。早稲田での劇団生活も面白かったし、早稲田で演劇を始めた方の多くが今たくさん活躍しているのも嬉しい感じがした。
2023/12/14
一笑
鴻上尚史という名前は知らなかったけれどネットで見たらテレビにもよく出ている人だった。鴻上さんの自伝的小説。筒井真理子さんや山下裕子さんなど今も頑張っている俳優さんがたくさん登場してきた。主に早稲田大学での演劇活動の話が主流だけれど、その中にも両親との関係や徐々に年老いていく様子、死についても詳しく描かれておりとても良かった。忙しくても本当に両親を大切にしたんだなと思った。自分自身の中学校・高校・大学生活と比較して、ここまでやらないと演劇界で成功するのは難しいんだと思った。なかなか普通の人には真似できない。
2024/11/14
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