パレードのシステム
パレードのシステム / 感想・レビュー
いつでも母さん
ふぅ。タブーには全部理由があると梅さんは言う。なぜかその梅さんの言葉が私に残った次第。生と死の人の営みの中、人の数だけ死生観はあるね。日本と台湾の儀礼に思う本作は、芥川賞作家の作品だったの・・ってことで。
2023/02/17
fwhd8325
これまでに読んだ高山作品の中で、一番難しいと思いました。しかし、このあふれるような物語は、快感に繋がる。ラストの数ページ、それに凝縮されいるようです。今までの作品も、どれだけ理解していたかは疑問だが、高山作品には、読後の心地よさがある。
2023/05/06
itica
祖父が亡くなり久しぶりに帰郷した「私」は、遺品を整理した従兄弟から、祖父が日本の植民地時代の台湾生まれであることを知らされる。その後、父の葬式で台湾に帰る知人に誘われ、渡航することに。日本とは似て非なる台湾の風景、故人の弔い方。遠い昔、日本人が住んでいたと言う地にて「私」が思う様々なこと。決して主人公の思いを理解できたとは言い難いが、悩み続けることもまた、生きている証なのかな。などと自分なりの答えを出してみる。
2023/02/06
とよぽん
これだけの紙幅で、こんなにも深くて複雑な問題を語っていることに驚いた。アート、台湾統治、文化、習慣、生と死、ミュージアム・・・かなり後半になって、ようやくパレードが何を指すのかおぼろげながらわかってくる。そして、最後の15ページぐらいが、すごい語りだった。高山羽根子さん、恐るべし。
2023/03/26
chimako
本を読み始めた時、台湾旅行の計画中だった。故宮博物院や豆花やかき氷や天灯上げが台湾そのもので、観光地を離れた人々の暮らしは気持ちの外にあった。このタイミングでの読書。民族的な風習、50年にわたる日本の統治時代、人の死に関わる儀式……全く念頭になかったものが一度に押し寄せた感がある。それらが芸術と言う、こだわりのあるの視点で色付けされていく。突然亡くなった祖父は台湾生まれだったと知った主人公がそのルーツを求め台湾に行くが、その根底にはピタゴラ装置を使用した友人の自死がある。物語の本質はわからずじまいか。
2023/06/12
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