安西水丸が遺した最後の抒情漫画集 陽だまり
安西水丸が遺した最後の抒情漫画集 陽だまり / 感想・レビュー
阿部義彦
講談社。8月21日第一刷刊行。安西水丸が遺した最後の叙情漫画集と帯にあります。そして、全て書き下ろしのエッセイとして、村上春樹、角田光代、平松洋子等の名前が。発表されたのは2008~10年の間、4つの物語が、どれも大人向けの内容です。と言えばわかる人には分かると思います。誰一人のエピゴーネン(模倣者)も持たない水丸さんの流れる描線に魅了されます。決して誰とでも仲良くというよりは、付き合う人を選んだようですが、パレットクラブでの学生との授業では一対一の真剣勝負、自称弟子の数は数知れません。安らかに。
2023/09/12
nadami30
安西水丸さんの叙情漫画集。 絵のタッチからは想像もできないほどエッジが効いた、男と女の悲哀が描かれている。 いたぶられる愛人、女の競り、という刺激的な題材をこの絵で魅せるんだから凄い。 ストーリーも言葉も、叙情的な奥行きがあってたまらない。映画を観てるみたい。 すごいなぁ。イラストが好きだと言いながら、少し侮ってたかも。 天才だ。
2023/12/10
manabukimoto
四篇からなる短編漫画集と、合間に挟まれた安西水丸さんと親交のあった人たちによるエッセイ。 「陽だまり」「アメンボ」「ボートハウス」「冬の客」。漫画はどれも辛く切なく、そして暗い余韻を残す。若い男が居て、不遇の女がいて、彼女に覆い被さる動かすことの出来ない運命があり…。 あっけらかんとしたイラストしか知らなかった安西さんという月の裏側を見た気がした。 エッセイの書き手の一人、村上春樹は、二人のことを「僕らはまだどちらも若く、未来は手つかずで前方にひらけていた。」と書いている。 晩年の本作との対照性が面白い。
2023/11/21
コキア
今は亡き水丸氏の大人向け漫画 親交深かった人らの愛あるエッセイ付 飄々としていて毒舌で、 民芸品や陶器が好きだったり、 独特の美学を持った色んな水丸氏を想像できる。 「絶景ではなくて、車窓の風景のような人間でいたい」氏、そのものだと思う
2023/09/15
ままりん
なんか不思議なイラスト。でも印象が良くて
2023/12/18
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