大江戸火龍改 (講談社文庫 ゆ 3-11)
大江戸火龍改 (講談社文庫 ゆ 3-11) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
美空さん(魔獣狩り)ぽいけどちょっと違う新たな主人公像。子供に好かれたりしてるしね。怪異や呪詛に特化した事件に関わる火龍改という役人(?)。配下の陰陽師たちなど登場人物もなかなかの遣り手だが、何よりあの人物(陰陽師シリーズにも登場していた)が姿を現すのは感動もの。まだ生きていたのか・・・。生きていてもおかしくないというか(苦笑)
2024/10/25
mahiro
江戸版陰陽師か…江戸時代は平安時代より馴染みがあって捕物帖的面白さがある、平賀源内なども出てくるし、ちらっと蟬丸や博雅の名が出て来たのには笑った。道満に似た播磨法師なんかもいい。まあやっぱり平安の陰陽師のほうが好きだが、こちらのカジュアルな(と言って言いのか?)のも悪くない。
2023/05/21
chiseiok
イベント【日本の夏は、やっぱり怪談】参加3冊目。マーベルユニバースの"ホワット・イフ?"的なやつ「もしも…安倍晴明が江戸時代に転生したら?」ってことですな。とはいえ、獏さんは脇役陣も含め相変わらずキャラ立てるのめちゃ上手い。絶妙な加減で「陰陽師」とのリンクを感じさせるけれど、本作は本作でしっかりシリーズ化出来そうな物語力あり。安心安定の面白さはもう読む前からわかってた(笑)。続編刊行してほしいけれと、「おいおい、その前にキマイラ完結とか、先にやることあるでしょ!」と、愛あるツッコミが入りそう(^_^;)。
2024/07/10
RIN
艶のある長い白髪を赤い紐で無造作に束ね、道服の如きものを身に纏い、年齢不詳の容貌、その眸は赤く、なまめかしい。人の世に住む、人ならぬものを相手に美しき謎の男は、怪を鎮め人の世の理を正す己の技をふるう。活気溢れる江戸の町、あらゆる欲望の影で深い闇がじっとりと身を潜め辺りを窺っている。飴売り、与力、剣の名手、耳と目となる仲間と共に、赤い唇を濡らし遊斎は微笑む。胸に秘めた筈の言霊が、憎しみの果ての狂乱が、救いと道連れを求めて蠢く。二胡の音色は遠い異国の響き。行こうと導く声は時と人を超え、ほんの少しの郷愁を誘う。
2023/09/08
瀧ながれ
「江戸版・陰陽師」というあおりの通り、読みながら「陰陽師」を思い出した。でも、ある描写では「キマイラ」や「餓狼伝」を思い出し、別の一行では「闇狩り師」を、また別の一言では「猫弾きのオルオラネ」を思い出し、つまり夢枕獏の作品なのだこれは。美しくて猥雑、不可思議にして人間の物語に他ならない。巻末の中編はもちろん読み応えあったのだが、前半の短編くらいのボリュームが、妖しい謎が残って読みやすいなと思った。
2023/10/04
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