誰が千姫を殺したか 蛇身探偵豊臣秀頼 (講談社文庫 た 109-6)
誰が千姫を殺したか 蛇身探偵豊臣秀頼 (講談社文庫 た 109-6) / 感想・レビュー
しんごろ
奇天烈!奇想天外!荒唐無稽!破天荒!こんな言葉が脳内に浮かび上がってくる。豊臣秀頼は生きていたという説はあるけれど、こんな生き方をしてた豊臣秀頼は誰も想像しないだろう。霧隠才蔵、猿飛佐助も老雄となって登場。話はぶっ飛んでるけど、そこは田中啓文!歴史の裏づけにそって、見事に歴史ミステリーとして成立させている。キツネと狸の化かしあい。いやいや、ホニャララとタヌキの知恵比べというべきかね。まあ、馬鹿らしくもあるが、秀頼の姿は置いといて、秀頼がかわいらしく思える。ラストは急ぎすぎの気もするけど、楽しめました。
2023/09/26
ナルピーチ
大阪夏の陣の裏に隠されていた悲劇…。それは千姫の死…のはずだったのだが、45年の時が過ぎ4代将軍家綱の伯母、天寿院として彼女は生きていた。その謎を解き明かす為、これまた死んだと思われていた豊臣秀頼が蛇体の身となりながら謎の解明に乗り出していく…。本物の千姫が殺された謎、今の千姫の正体とは!?軽快な筆致にぶっ飛んだ設定がとても面白い!帯に「どうしてこんな作品を書いてしまったのか自分にもわからない」とある。いやいや、田中先生だからこそ書ける小説ですよ。歴史にファンタジーにミステリー!気軽に楽しめる一冊でした!
2023/11/18
ちょろこ
ずるずるでゆるゆるの一冊。雷が落ちた大阪城で発見された豊臣秀頼。しかも想像を絶する、ずるずるのお姿で45年もいたというゆるゆるの設定に思わず肩の力が抜け抜け。愛しい千姫を殺めたのは誰か、真実を知りたい秀頼。史実もなぞらえるストーリーの組み立てだから歴史オンチにも難なく楽しめた。ずるずる秀頼の移動手段はナイスアイデア。そして茶色の毛皮集団には笑いしかない。もしかしてこんなことが…?と想像を掻き立てられるのが歴史小説だけど、これは全く掻き立てられない別次元のゆるい楽しさがある。教訓:苔は食べてはいけません。
2023/10/03
えにくす
豊臣秀頼は生きていた!大坂夏の陣から45年後、城の地下で発見されたのが、身体が蛇となった秀頼だった。彼は夏の陣で妻の千姫が、何者かに暗殺されたと告白する。では今も生きて天寿院と名乗っている、千姫は誰なのか?ここに秀頼の謎解きが始まる。これぞ田中節炸裂の、歴史ファンタジーエンタメ小説だ!徳川家康や秀忠、猿飛佐助、霧隠才蔵、柳生宗矩、真田十勇士など、豪華キャスト登場。フィクションに史実を交えた、メッチャ楽しめる物語だ。帯に「どうしてこんな作品を書いてしまったのか自分にもわからない」て、田中さん面白すぎる。★4
2023/07/06
タイ子
帯の「どうしてこんな作品を書いてしまったのか自分にもわからない」。いや、田中さんしか書けない物語なのです。千姫は後に天樹院となるが、その前にすでに何者かに殺されていた!?では、天樹院は誰?そして、大坂夏の陣で死んだはずの秀頼が生きていた。それも大蛇となって…。ほら、奇想天外でしょ。物語の展開にあたっては歴史上の人物が次々登場するわけで、ちょこちょこ史実も入れながらのトンでもない話を作る田中さんお得意話だなと。「どうしてこんな作品を読んでしまったのか分からない」などとは言いません、面白かったから。
2023/06/15
感想・レビューをもっと見る