川滝少年のスケッチブック
川滝少年のスケッチブック / 感想・レビュー
ゆのん
『平和だなぁ』と思う事も、感じる事も無く日常を当たり前に過ごしている人が私も含め多い今日だが、過去とは言え決して忘れたり、見ないふりをしてはいけない事がある。『戦争』を実際に体験した人達が少なくなる中、貴重な作品だと思う。悲しみ、悲惨さ、愚かさだけしか残さなかった『戦争』を再び起こさない為にも語り継がれていかなければならない。『戦争は嫌だ』と声を上げる事の大切さ、『戦争を再び起こさない』という強い決意を持つためにも本書を多くの人に読んで欲しい。
2023/08/07
たかこ
小手鞠るい先生のお父様のスケッチがとても素朴で素晴らしい。昭和な暮らしの1冊目から、軍国少年だった2冊目は、絵が素朴で変わらないだけに時代の変化が重い。戦争はいつのまにか忍び寄ってきて、あっというまに平和を侵略してしまうもの。お国のために戦って、死ぬことに疑いを持たない人を育てるの教育。ただただむなしい、馬鹿馬鹿しい、滑稽、それが戦争だった。私たちは、生き抜いてきた先人たちから学び、「戦場で誰かを殺したり、殺されたりしたくありません」ときちんと声をあげることが必要だ。
2023/10/30
よんよん
改めて平和である事の大切さを考えた。そしてそこに安心して漫然と過ごすのではなく、平和を守るという意識を持っていなくてはならないと思った。折しも今日は8月6日。何の日か知らない子たちが増えていると聞く。過去の出来事は風化しようとも、未来に向けてこの平和は意識して守らなくてはならないと伝えたいものだ。
2023/08/06
ヒラP@ehon.gohon
この物語はフィクションでありながら、著者の父親がスケッチブックで描いた戦争体験を掘り起こしていくルポルタージュでもあります。 父親が少年時代に体験した戦争を追体験しながら、戦争と平和を考える、著者にしかできない空間を、一緒に体感することにとても大きな意義を感じました。
2024/08/10
まる子
小手鞠るいさんの父、川滝喜正さんが軍国少年だった中学生時代に描いたスケッチブックの漫画と文章を、戦争体験として創作。日本の戦争を語り継ぐ人が少なくなったからこそ、過去の事ではなく、憲法で戦争をしないと宣言したとしても、学校で家庭でそれぞれの場所で考えていかなければならない。いつ死ぬかもわからなかったデッドエンドの青春、残酷な事に慣れてしまう感情、玉砕という言葉で多くの命が失われた。敗戦した時の「何のために戦ってきたのだろう」と、そんな事を知らなくて良かった年齢のはずなのに。綺麗な言葉は必要ない。
2023/07/10
感想・レビューをもっと見る