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時空に棄てられた女 乱歩と正史の幻影奇譚

時空に棄てられた女 乱歩と正史の幻影奇譚

時空に棄てられた女 乱歩と正史の幻影奇譚

作家
長江俊和
出版社
講談社
発売日
2024-02-28
ISBN
9784065344668
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ジャンル

時空に棄てられた女 乱歩と正史の幻影奇譚 / 感想・レビュー

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ちょろこ

シンプルな一冊。現実にもとても濃密な関係があったらしい江戸川乱歩と横溝正史。この二人が長江さんの手によって現代に活き活きと蘇った作品。首なし事件に挑む乱歩と横溝。一方、生首を拾った男が彷徨う夢か現かの不思議な時間。事件の真相はもちろん、生首は果たして時空を超えたのか、なかなか面白いストーリー展開。乱歩たち二人の切磋琢磨のような関係が読み応えがあった。横溝のいっぱしの探偵作家に導いてくれた乱歩への思いにはじーんときた。細々とした仕掛けなしに至ってシンプルに楽しめる幻想ミステリ。長江さんって生首が好きなのね。

2024/05/12

オフィーリア

猟奇殺人事件に巻き込まれた江戸川乱歩と横溝正史。日本ミステリ史に燦然と輝く巨匠二人の創作への苦悩、お互いへの激重感情を評論的に描写しながら猟奇事件を追うという探偵小説好き垂涎の設定。欲を言えばミステリ部分がもう少し濃ければ...。

2024/05/15

オーウェン

監禁された青年の鞄に入っていたのは探偵小説の原稿と、美女の生首。 その原稿の中身は江戸川乱歩と横溝正史が巻き込まれた猟奇事件だった。 一体この生首は誰なのか。 また乱歩と正史の事件の犯人とは。 お互いの推理大家の作品がこれでもかと出てくる。 その中で休載しただとか、2人の友情を描いていき、最後には犯人明かしを。 序盤から匂わせていた部分が、犯人の動機となることには気づかなかった。 そして生首の存在が分かるとき、もう一つの謎もキレイに明かされる。

2024/06/29

いたろう

江戸川乱歩と横溝正史が、謎解きをする推理小説、いや、ここは探偵小説と言うべきか、そういう設定というだけで、もうワクワクしてくる。しかも、乱歩や正史の小説ばりの、凄惨な「首のない死体」という「本格もの」殺人事件の謎解きであり、作中で、正史自身が、探偵小説では、首のない死体のトリックは、十中八九、被害者と犯人が入れ替わっていると説くが、果たして今回はどうなのか、興趣が尽きない。そして、乱歩・正史の物語と交互に出てくる「現代パート」が、もう一つの謎解きとして、この小説を重層的なミステリに仕立てているのがうまい。

2024/06/13

がらくたどん

取材対象者が友人から預かったという謎の原稿に綴られた怪事件!誰ですか?乱歩の『悪霊』の冒頭じゃんと思ったのは。私も思った。まあこれだけで掴みはバッチリでしょう♪ある朝、友人が鞄を開くと中から生首と横溝正史の手によるらしい件の原稿が現れる。生首を抱えたまま途方に暮れて原稿を読むと、この首の持ち主が廃屋で発見された事件に乱歩と正史が巻き込まれているらしい。「大昔の生首がなぜここに?」友人の心は動揺の極、読者の頭も混乱の渦♪お家芸の少年愛・人格分岐・成り代わりを散りばめ乱歩と正史を知る入り口としても好感が湧く。

2024/06/02

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