本が紡いだ五つの奇跡 (講談社文庫 も 60-1)
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本が紡いだ五つの奇跡 (講談社文庫 も 60-1) / 感想・レビュー
夢追人009
一冊の本が編集者・作家・装丁家・書店員・読者の人生に影響を与えて幸せに導いてくれるドラマチックな奇跡の物語。作中作『さよならドグマ』は世間の流行を追って本来の自分を見失っていたベテラン作家が彼のデビュー作を愛する編集者女性に説得されて書き上げた会心作です。ファンの熱意によって生み出された物語が才能ある作家を甦らせて万人の心を打つ物語を書かせる。何て素晴らしい偶然がもたらした奇跡の出来事だなと思いましたね。本との出会いが人生を変えていく。私もそんな良書と出会いたいなと強く願いますね。#NetGalleyJP
2024/08/31
タイ子
一冊の本が紡ぐ物語。仕事を異動させられそうになっている編集者が昔影響を与えてくれた一人の作家に作品を依頼する。依頼された作家は一度は断るも引き受ける。彼も彼なりの事情を抱えて生きている。装丁家は現実と向き合いながら日々を送る中、力になるのが妻の支え。このくだりが一番胸に響く。若さ溢れる書店員の恋心が何だか羨ましくもなる。誰かが側にいてくれれば、どこかで見守ってくれる人がいれば生きていける。気付くのはつまづきそうになる時かもしれないけど、それでも前を向けるのは誰かのおかげ。
2024/05/20
Atsushi
「ひとりのために」。崖っぷちの編集者から始まった思いが一冊の本を通して何人もの人生を救う。一度は筆を折る決意の作家が愛娘のため一念発起するくだりは胸が熱くなった。人も本も出会いは偶然かもしれないけれど、そんな出会いを大切にしようと思った。優しくて温かい森沢ワールドでした。
2024/04/14
カブ
やっぱり、森沢明夫作品はハズレなし!本作も一気読みでした。1冊の小説が起こす奇跡としか言えない幸せの連鎖。編集者、作家、装丁家、書店員それぞれのその後が気になるので、続きをお願いします!
2024/04/28
よっち
仕事に行きづまる編集者の津山が本当に作りたい本を作るため、かつて自分が救われた小説の著者、涼元マサミに新作を依頼。そうして生まれた作品がそれぞれの人生を動かしてゆく連作短編集。営業への異動話が出ていて最後に後悔しない本を作りたかった編集の津山、元妻の再婚で娘と縁が切れそうな売れない作家・涼元、余命宣告された丁家、心に傷を抱えた書店員、そして自分の時間が止まっていた読者まで、後悔しないように自らの想いへしっかりと向き合ってゆくそれぞれのエピソードがあって、それがひとつの結末へと収束してゆく素敵な物語でした。
2024/03/26
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